制度を支える企業文化
インテルには「Six Values」という企業文化を表現した言葉があります。Six Valuesの起源は、インテルの初代CEOであるRobert Noyce氏の時代に存在していた「Eleven Value」にさかのぼり、当時からの経営哲学を引き継いだ以下の6つの基本姿勢が示されています。
- Customer Orientation(顧客志向)
- Discipline(規律)
- Quality(品質)
- Risk Taking(失敗をおそれないチャレンジ精神)
- Great Place to Work(働きがい)
- Results Orientation(結果志向)
同社では、このSix Valuesの信念の基に、その基本姿勢に沿った人材育成のためのプログラムを社員に提供する「Intel University」というグローバル部門があり、各国でさまざまな教育制度を提供しています。
この制度下では、インテルの企業としての基本姿勢を学ぶオリエンテーリングを始め、グローバルで100以上ものスキルアッププログラムが用意されていますが、ユニークなことにそのプログラムの講師役は、講師用の研修を受けたマネージャー社員が務めるのだそうです。
「社員自身が体験に基づいた話を付加することで、内容も深みも増し、より浸透していくと考えています。また教える側も、教えることを通して自分自身も成長できるという効果があります」と坂口部長。講師の選定は、マネージャークラスの社員に自らボランティアとして名乗りを上げてもらうか、人事からリクエストすることもあるそうです。また、講師は受講者側からのフィードバックを受け、評価が高かった講師役の社員にはIntel Universityから「ベストトレーナー賞」が贈られるそうです。
「競争の大変激しい時代ですが、企業として常に創造性と業界最先端の技術を持って市場に挑んで欲しいと願っています。そのためには、社員の1人1人が先進性を持ち、スキルアップしながら競争力を身に付ける必要があります。その支援として私たちは、『人材』は『人財』であるという意識を持って、開発プログラムに取り組んでいます」(坂口部長)
今回お話を聞いていて、少しハードルの高いプログラムを課すことで、「厳しさを持って、社員を宝として育てる」という会社側の意識が強くあるのだと感じました。
ところで、インテルの社員の方々は時間にとても厳しく、社内会議や電話会議も常にピッタリの時刻に開始するとのこと。それはもう徹底しているそうです。こうした当たり前のことを、油断なくきちっと社員全員が行い、日々の業務で繰り返されている。これこそが、精密な半導体を手掛ける企業としてのインテルの姿勢の表れではないかと強く印象に残りました。
それでは、今回はこの辺で! あなたの会社のユニークな制度についての情報も、ぜひお寄せくださいね。
「あったらいいな」を実現する企業:ファイル3 | |
---|---|
社名 | インテル |
事業内容 | プロセッサテクノロジーの開発、提供。ネットワークシステム、半導体製品、フラッシュメモリ製品等の販売 |
設立 | 1976年4月 |
従業員数 | 約540人 |
資本金 | 4億8000万円 Intel International 100% |
米国本社 | Intel |