Wayne's Worldにはさまざまなロックスターが登場しますが、ロックスターと言えば「ドラック」「女」「ロックンロール」といったイメージです。そんな不良イメージのロックスターは、どうすれば意外なのでしょうか。
WayneのAerosmithに対する次の質問に注目です。
Wayne: With the recent developments in Eastern Europe, do you think that Communism is on the decline or is this just a temporary setback?
最近の東欧の発展は、共産主義の衰退なのかな、それとも一時的な後退と解釈すべきなのかな?
すごい質問ですね。さぁ、心の中で叫びましょう。「No Way!」(爆笑)。しかし、いきなりそんな質問したって困りますよねぇ。Steven Tylerはどう答えたのでしょうか。
Steven Tyler: Wow, man. That's a hard question. But I would have to respond with a qualified yes. Although it seems that socialism is in repose, until you remove the Stalinist era Party apparatchiks, there will be no real change in the Soviet Union.
おお、難しい質問だな。だが条件付でイエスだな。確かに社会主義は一見すると停滞しているようにも見える。でも、スターリン派が存在する限り、ソ連の本質は何も変わらないんだ。(注:このコメディーは1990年代前半のものです)
す、す、すごい。No Way!(爆笑)ですね。さすがSteven。すると、ベース担当のTom Hamiltonが真面目な顔つきで、すかさずこう言います。
Tom Hamilton: I disagree. There's never been a blueprint for a proletarian dictatorship so it's bound to make mistakes. But if you study history you'll see that since the rise of the nation-state, socialism has been an historical inevitability, dude.
僕はその意見には賛同しかねるね。プロレタリア主義者の独裁は青写真がないので誤った道に進む運命にある。しかし、民族国家のたどってきた歴史の中でわかるのは、社会主義が生まれてきたことは必然だったということさ。
No Way!(爆笑)。どうでしょう? ロックスターが答ないような質問にスラスラ答えるのって意外だと思いませんか?
Wayne's Worldでは、不良のイメージのロックスターが政治的な話をするのは定番パターンです。何度も番組を観ていると予想できるようになるのですが、水戸黄門のラストシーンのように、予想とおりに展開するとさらに爽快に笑えるようになってきます。「なんでこんなのが面白いんだ?」とシラケないで、「No Way!」と叫んで笑うと、次第にアメリカンコメディーに引き込まれていくでしょう。