#1:変更は色々となされている
Thurrott氏は次のように書いている。「ここでの本当の問題は、Windows 7の搭載機能がベータリリースの『ずっと前』に凍結されているという点にある。このため、あの投稿において[Sinofsky氏が]議論しているフィードバックというものの99%は実際のところ、バグを発見するために行うテストに関することなのだ(残りの1%はテスターの関心事に耳を傾けるということであるものの、そういった関心事を却下する理由も数多くあるのだ)」
では、こういったことが問題になるのだろうか?Windowsの歴史を振り返った場合、最も問題を抱えていた2つのリリースが最も長いベータ期間を有していたということは、偶然ではないと私は考えている。私がWindows 95のプリベータ版をテストしていたのは、リリースの2年近く前、つまり1993年のことである。また、最終的にWindows VistaとなったLonghornの初のアルファリリースは、2003年11月に開催されたProfessional Developers Conference(PDC)の場で配布された。これはVistaが出荷される3年近くも前の話である。
ベータ版がリリースされる頃には、ほとんどの搭載機能を凍結しておくべきなのだ。そうすることで品質の改善やパフォーマンスの向上に注力できるというわけだ。
MicrosoftがWindows 7の搭載機能を決定するにあたって、フィードバックに耳を傾けず、忠誠心を持ったほとんどの顧客を無視したという不満を聞くと、私は「ちょっと待って欲しい」と言いたくなる。2006年の11月以来、MicrosoftはWindowsの設計上の意志決定にあたって、さまざまな意見を吸収してきているのだ。こういったフィードバックは以下のようなルートで行われている。
- ブログへの投稿、レビュー、ニューズグループへの投稿、過去に公表されたVistaに関する批評といったものすべて
- Microsoftやそのパートナーへのサポートコール
- PCメーカーやソフトウェアデベロッパーからのリクエスト
- テレメトリー(遠隔測定)データ(クラッシュレポートは実際に担当者のところに送り届けられているのだ)
- フィールドリサーチとユーザビリティテスト
- オピニオンリーダー(数年にわたってMicrosoftに直接、あるいは電話で何度もフィードバックを行ったThurrott氏や私といった人々を含む)とのインタビュー(彼らがノートを取っていなかったとでも思っているのだろうか?)
Microsoftは、こういった数多くのフィードバックに耳を傾けてきているのだ。そして、これ以上フィードバックを受け付けたとしても、必ずしも優れた製品が生み出されるわけではないというレベルに達しているのである。