インフォファームは4月2日、SFA/CRMパッケージソフトウェア「戦略箱ADVANCED」を発表した。出荷開始日は4月16日。
「戦略箱ADVANCED」は、同社が2000年に最初のバージョンをリリースしたCRMパッケージソフト「InfoFarm戦略箱」の最新版となる。戦略箱は、日本の商習慣に基づいて開発されたというSFA/CRM製品であり、流通、サービス、製造業を中心とした、100から1000名の中堅規模ユーザーがメインターゲットとなっている。
海外製の同種パッケージ製品と比較して、初期導入コストを抑えつつ、同等以上の機能を提供する点が特徴。また、導入にあたっては、ユーザーごとの手厚いプロダクトコンサルテーションを実施することにより、90%以上の高い定着率を誇るという。
最新版の「戦略箱ADVANCED」では、主に「利便性の向上」「コミュニケーション機能の強化」「カスタマイズの柔軟性向上」に主眼を置いた機能強化が行われているという。
「利便性の向上」については、Ajaxを用いたユーザーインターフェースを随所に採用。自分の業務に必要な情報を一覧できるカスタマイズ可能なポータル機能や、チェックしておきたい情報を常にトレースできる「情報ブックマーク機能」などが新たに追加された。「カスタマイズの柔軟性」については、ノンプログラミングのパラメータカスタマイズから、変更ニーズの深さに合わせた4段階のカスタマイズバリエーションが用意されている。また、プログラミングによるカスタマイズを行った場合でも、今後のバージョンアップを保証しており、将来的にも最新のコア機能が利用可能になる。
インフォファーム、常務取締役の大友康宏氏によれば、戦略箱ADVANCEDのコンセプトは「和の心」であるという。そのコンセプトを最も端的に表しているのがスタッフ間の「コミュニケーション」を促進するための各種機能だ。日報、掲示板、スケジュール、案件、サービスリクエストといった各画面で表示される情報に対して、他の社員が自由にコメントやアドバイスを付加できるほか、個人のかかわる商談状況や活動履歴を一覧し、フォローが必要な場合にはタスクを分担できる機能、さらに特定の案件に関する活動履歴を残し「ナレッジ」として共有する機能(同社では「武勇伝」と表現)などが追加されている。
「ビジネスにおいてPDCAは大切だが、結果に至るプロセスの中で、コミュニケーションを通じて次のアクションにつながる知恵が生み出される。戦略箱ADVANCEDにおいて、PDCAの『C』は、サイクルの各フェーズでの『Communication』であり、それが重要なコンセプトとなっている」(大友氏)
戦略箱ADVANCEDの価格は、基本50ユーザーライセンスが500万円。1追加ユーザーライセンスが6万円(いずれも税別)。プロダクトコンサルティングが400万円より。別途、各種DBサーバ(Oracle Database 10g R2以降)、アプリケーションサーバ製品(Oracle IAS 10g R3以降、IBM WAS V6.1以降)が必要となる。
青山の日本オラクル本社で行われた発表会には、日本オラクル常務執行役員アライアンス統括本部長の鈴木登志夫氏と、コンサルティングパートナーであるベリングポイント、CRMソリューション統括責任者マネージングディレクター執行役員の中本雅也氏も出席。「Oracle OpenWorld Tokyoを前に、Oracleプラットフォーム上で動くすばらしいアプリケーションが発表されたことに喜んでいる」(鈴木氏)、「企業に“スーパーマン”は多くいらず、全体をどのように底上げしていくかが重要。営業を『管理』するためのSFAではなく、本当の意味で『支援』するSFAが必要」(中本氏)と、それぞれにエンドースメントを行った。
なお、同製品は2009年11月以降、SaaSモデルでの提供も予定しているという。価格や提供方法などの詳細は未定だが、SaaS版のパートナーとしてNECやNTTPCコミュニケーションズの名前が挙がっており、より小規模なユーザーがターゲットとなる見込みとしている。