Googleの「Android」は、Microsoftの「Windows Mobile」にとって手ごわいライバルになると予想する人がいる。実際、Androidはそれ以上の潜在性を秘めている。Androidは、Windows Mobileだけでなく、Windowsクライアントプラットフォームにとっても脅威となりうるからだ。
では、この予想に基づき、MicrosoftはAndroidプラットフォームに対抗する単一ラインを計画すると推測だろうか?それとも、Androidに対抗するにあたり、Microsoftは単一のWindowsではなく、さまざまなデバイスとプロセッサに最適化された複数のOSを引き続き提供するのだろうか?
Microsoftは現在、WindowsはノートPC/デスクトップPCはもちろん、携帯電話からネットブックとさまざまな端末で動く(少なくとも、「Windows XP」と「Windows 7」では)と宣伝している。だが、これは事実関係を簡素化しすぎている。Windows MobileはWindowsではない。次期版「Windows Mobile 6.5」「Windows Mobile 7.0」ですら、「Windows Embedded CE」をベースとしており、Windowsクライアントのカーネルではない。
この構図に、ARMやその他の低消費電力プロセッサを加えると、さらに興味深くなる。Microsoftは、Windows 7(さらには8、9)をARMプロセッサ上でネイティブに動かすことができるだろうか?それとも、Microsoftができることは、ARMベースのPDAとネットブックでWindows CE/Windows Mobileを動かすことぐらいだろうか? (アップデート:この部分を明白にするために付け加えると、私はWindows MobileがARM搭載携帯電話で動くと知っている。だがこれまでのところ、Windowsは動かない--少なくとも“公式”には)。
Microsoftが古いWindowsをそのままARMにポーティングできない、またはしない場合、既存のWindowsアプリケーションは、最新のARMベースのネットブックやPDAでは、x86ベースのネットブックのようには動かないということになる。動かしたい場合、かなりの調整が必要になるだろう。
Microsoftがこの問題にぶつからないようにする理論的方法の1つが、Windows CEではなくWindowsを将来のWindows Mobileバージョンのコアにすることだ。可能だろうか? また、Microsoftはそうすべきだろうか?
Directions on Microsoftのリサーチアナリスト、Matt Rosoff氏に聞いてみたところ、WindowsベースのモバイルOSを提供することは実現可能だが、Microsoftがこの方向にフォーカスするとは思えないと述べた。
Directions on Microsoftの別のアナリスト、Michael Cherry氏は、MicrosoftはWindowsを他のプロセッサにポーティングすることができるだろうが、そのような動きがビジネス上の意味をなすかについては首をかしげた。
また、Microsoftに近いある開発者(匿名希望)は、WindowsをARMなどの新しいアーキテクチャにポーティングすることはかなりの作業を要すると述べた。
Microsoftは現在、社としては、Windowsのポーティング計画について明かしていない。Microsoftの代表者は、社内で密かにWindowsをARMシステムで動かしているというレポートについて、コメントを(再び)控えた。MicrosoftにWindows Mobileについて(Windows Mobile 6.5の壁紙のデザイナー以外の)話を聞くことは、同社会長のBill Gates氏に対し、家族が敷地内に「iPod」を持ち込むことを許可するよう説得を試みるようなものだ。
読者の皆さんは、Android対Windows(それにWindows Mobile)について、どのような意見をお持ちだろうか? GoogleのOSが複数のモバイルプラットフォームで採用される前に、Microsoftがリードしておくためにすべき対策は何だと思いますか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ