このブログ記事のタイトルは「質問されなかった10の疑問」としてもいい。夕食まで時間があれば、「50の疑問」としてもいい。それぐらい疑問がたくさんあるのだ。とりあえず、ここで5つの質問を書き出すことにしよう。
Microsoftが米国時間4月23日に発表した会計年度2009年第3四半期の業績報告書は、吉兆混ざった結果となった。年間ライセンス(ボリュームライセンス契約)は15%増加した。ゲーム機「Xbox」の販売台数も増加した。だが、Microsoftはこの場で、コスト削減に関して従業員にプレッシャーをかける重たい計画を強調した。一方で、景気回復時期については、楽観的な見解を示すことを控えた。
業績発表後の電話会議で、財務アナリストは売上原価に関してたくさんの質問をした。だが、だれも質問しなかったのが次の5つだ。
1.今年すでに5000人の従業員削減計画を発表しているが、これ以上の削減はあるのか?シアトルのあるアナリストは、さらなる従業員削減があると見ている。多くのMicrosoft社員がこの2〜3週間、おそらくはこの業績発表の場で新しい従業員削減が発表されるのではないかと予想していた。だが、だれもこれについて質問しなかった。われわれに分かっていることは、Microsoftは2010年までに削減するとしている5000人のうち、800人をすでに削減したということだ。この数は、当初の予想より遅く推移している。
2.Microsoftは、2009年の年末商戦前に「Windows 7」を出荷できるのか?確かに、たとえこの質問が出たとしても、だれも正確な回答をしないだろう。それでも、気になるところだ。
3.欧州委員会(EC)が、ブラウザのバンドルというMicrosoftのポリシーについて、判断レベルを厳しくした場合(その可能性は高いとみる人も多い)、代案はあるのか?Microsoftは、来週までにECの予備調査結果に回答しなければならない。Opera1社が提出した訴えに、その後、Google、Mozilla、IBM、Sun、Adobeをはじめ、多数のMicrosoftのライバルが加わっている。Windows 7で「「IE 8」を削除する」というチェックボックスを提供するというMicrosoftの対策が、Microsoftを毛嫌いする欧州の判事をなだめるとはだれも思っていない。
4.オンラインシステムへの投資計画において、Microsoftはいつ降参するのか?(最高経営責任者(CEO)のSteve)Ballmer氏は、オンライン事業の成功まで10年を見るつもりだ、と述べている。だが、Yahoo!となんらかの提携が結べなかった場合はどうするのか(ここで、もう1つの質問がある:検索第2位との提携における見通しは?)。Microsoftは、検索エンジンの次期版を「Kumo(あるいは「Bing」、あるいは「Sift」)」か何かの名称でリニューアルすることで、数百万ドル単位の損失(第3四半期だけで5億7500万ドル)を解消できると本当に考えているのか?
5.ネットブックが引き続き好調だが、Microsoftの計画に新しい局面はあるのか?Microsoftの計画は、フル機能を搭載した高価格なWindowsとOffice SKU (stock-keeping unit)を継続してプッシュして、Windowsクライアントとビジネス部門の成長を加速することだ。Microsoftは、Windows 7と「Office 2010」でこの計画を進めることを明らかにしている。だが、ネットブックは第3四半期、PC全体の売上高の10%を占めるにいたっているという。そして、この勢いが衰える兆候はない。であれば、Microsoftは、Windows 7のProfessional版とEnterprise版、Office 2010のクライアント版を、「Windows Starter」と「Office Web Apps」を望むユーザーにどうやってプッシュするつもりなのか?
この5つ以外にも、「Windows Mobile 7」または「Pink」、クラウドコンピューティングの価格計画、今年秋に登場するといわれている最新の「Zune」、株価などについても質問はなかった。質問リストはここにもある。読者の皆さんは、Microsoftの最高財務責任者(CFO)に尋問チャットできるとすれば、何を聞きたいだろうか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ