Indra Nooyi氏
PepsiCoの会長兼CEO
社内政治のスタイル:有能な事情通
インドで生まれたNooyi氏がPepsiCoのトップの座に就いたのは、最高財務責任者(CFO)在任中に、複数の大きな取引をまとめるうえで鍵となる役割を果たしたというところが大きい。Nooyi氏は直接的かつ自信に満ちているものの威圧的ではなく、人々のやる気を引き出すことで彼らの志気を高めている。また、Nooyi氏は自身の過ちも含め、ものごとについて率直に話をする:少し前にインドを訪れたNooyi氏はその際に、PepsiCoが安全性に問題のある水を使って商品を製造していると糾弾された3年前に訪れるべきであったと述べたのである。また、Nooyi氏はオフィスで歌を歌ったり、時には裸足で歩き回っていることでも知られている。こういった逸話から、同氏は常に自分自身であることを忘れないというメッセージも伝わってくる。そして、これによって同氏を近付きやすい存在にもしているのである。
長所:Nooyi氏の自信は尊敬に値し、その率直な人柄と、自らの過ちを認める姿勢は、同氏を人間的かつ称賛に値する存在にしている。
短所:Nooyi氏の率直さが裏目に出たこともある。コロンビア大学の卒業式における演説で、Nooyi氏が5本の指をさまざまな地域のメタファーとして使った時のことだ。北米は最も突出し、世界を支える存在であるため、手の機能を支える中指に喩えられた。Nooyi氏は「中指は本当に優れたものであり、世界的にビジネスを展開しようとする米国を助けてくれる存在だ」と述べたうえで「しかし、中指を不適切な方法で使うことにより、ネガティブなメッセージを伝え、われわれを厄介な事態に陥れる可能性もある--まさに米国そのもののようだ」と述べたのである。反米国的だと大きな批判を呼んだこの発言について、Nooyi氏は後日、謝罪の弁を述べている。