冨田:業務ポータルを推奨する上で、特に注目している業界は何でしょうか。
的池:手続きや扱う商品、サービスによって段取りが複雑化し、業務遂行のために連携するシステムが多岐にわたるという意味では、金融・保険業、通信キャリアにおける窓口業務や、システムメンテナンス業の運用保守業務などです。これらの業界は、知識とノウハウの蓄積を活用する業務の質的向上や、セルフサービス化によるコスト削減などの要求が強い傾向があります。
また、金融では確実な手順が求められる事務規定などが存在するため、システムで業務フローを厳格に示し、ルールを遵守させる内部統制的な利用方法も多くなっています。
埋もれているシステムを引き出して投資効果を最大化させる方法
冨田:6月10日に開催するイベント「ZDNet Japan ビジネス・アプリケーションカンファレンス」では、不況の今こそ、真にビジネスへ直結するビジネスアプリケーションのあり方を考え直すきっかけを提議したいと考えています。まさに、業務ポータルが目指すところの、組織や人が積み重ねてきたノウハウを共有し、現場を変えていく「段取り力」が必要とされているのではないでしょうか。
的池:変化の激しいビジネス環境の中、不況だからとはいえ将来の成長に必要なIT投資を止めることはできません。限られた投資枠の中でITの効果を最大限に活用するためには、既存のシステムを活かしつつ現場で培われた業務の段取りをスムーズにシステム化し、知識とノウハウを基にして業務の流れの無駄を削減するといった、組織とITを共に進化させていく仕掛けが不可欠です。
業務ポータルは、フロント統合を皮切りに、段階的にシステム最適化を推進し、SOAを実践していく足がかりとなる適切な投資をするための製品になっています。素材はすばらしくとも単品では魅力を引き出せなかった料理が、フルコースに仕立て上げることで、すばらしい味覚のハーモニーを奏でるように、埋もれているシステムを引き出し、業務と連携させることでいかに投資効果を最大化できるかを、カンファレンスでは詳しくご説明するつもりです。
冨田:「現場が変わる! 業務の段取りをシステム化するツボ!」というテーマで講演いただく予定ですね。大変楽しみにしています。本日はありがとうございました。
(撮影:石井健)