Microsoftの開発プラットフォーム製品マネジメント担当シニアディレクター、Steven Martin氏は米国時間6月4日、米サンフランシスコで開催されていた「JavaOne」で基調講演を行った。Martin氏がステージで語ったことは、相互運用性の設計におけるリファレンスアプリケーションの重要性だった。
MicrosoftがJavaOneを利用して、「Kojax」(開発コード名)を披露しなかったのは残念なことだ。Kojaxは、まだ正式発表されていない同社のモバイルAjaxプラットフォームだ。
2008年11月、このブログでKojaxを紹介した当時、「Visual Studio」ツールとJavaScriptを利用して、Javaベースの携帯電話向けのアプレットを作成できると聞いていた。私はその後も、Kojax、および同技術の新しい開発コード名「Kirana」に関する情報の収集を続けてきた。
(Microsoftは、開発コード名を追跡しようとするわれわれの目をくらます目的で、製品開発の途中で開発コード名を変えることがしばしばある。だから、KojaxからKiranaに変更したとしても、私には驚きではない)。
最初に断っておくが、MicrosoftはKojax/Kiranaに関するいかなる情報も認めておらず、忌まわしい「うわさや憶測」のカテゴリに入れている。だが、私の情報筋はかなり信頼できると思うので、ここでまとめてみたい。
Kojax/Kiranaは、「一度書けば、どこでも実装できる」というMicrosoftが以前からあたためている構想の1つに分類できる。新しい開発/パブリッシュモデルと電子「財布」機能を組み合わせたもので、開発者は軽量のKojax/KiranaアプレットをJavaScriptで作成し携帯電話で動かすことができる。一般ユーザーは電子財布機能を利用して、これらのアプレットを購入・決済するというものだ。
開発者は、Kojax/Kiranaソフトウェア開発キット(SDK)を利用してアプリケーションを作成し、レポジトリ(Microsoftの「Azure」でホスティングされる可能性が高い)にアップロードする。これらのアプリケーションをダウンロードするユーザーとして考えられるのは、通信事業者だ。私の情報筋によると、通信事業者が自社端末や環境にダウンロードし、その後自社の顧客に提供する、という構想のようだ。
途上国ではPCの代わりに携帯電話が利用されていることを考慮すると、Microsoftは、まず途上国の開発者とサービス事業者をKojax/Kiranaのターゲットにすると考えられる。MicrosoftがいつKojax/Kiranaのテストビルドの実証実験を開始するのか、正式版はいつ頃リリースするのかなどについては、なにも知らない。だが、モバイルと途上国市場事業におけるMicrosoftの戦略を考えると、同プラットフォームがデビューするのは遠い将来ではないと私は予想している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ