Googleの携帯電話プラットフォーム「Android」の開発者向けに、ネイティブなアプリケーションを開発するためのキットがリリースされ、Android端末で稼働する高性能のアプリケーションを作成する手段が提供された。
Android用のアプリケーションは、Java仮想マシンをエミュレートする「Dalvik」と呼ばれる仮想マシンを介して稼働する。米国時間6月25日にリリースされた「Android Native Development Kit(NDK)」により、開発者らはCやC++のネイティブコード言語を使って、「Android 1.5」アプリケーションのDalvik以外の部分を作成できるようになった。
こうしたアプローチにより、一般的にパフォーマンスが大幅に向上するわけではないが、開発者がCやC++で書いた既存のコードをAndroid用のアプリケーションに再利用することが可能になる。
AndroidエンジニアのDavid Turner氏は、Android開発者向けサイト内のブログに、Androidのソフトウェア開発キット(SDK)に付属するNDKはより高性能なアプリケーションを開発するのに使えるが、欠点もあると書いた。
「アプリケーションはさらに複雑になるだろう。互換性が低くなり、フレームワークAPIの利用もできない。デバッグもより困難になるだろう。とはいえ、多くのメモリ割り当てを必要とせずCPU集約型で自己完結的な演算を行うアプリケーションの場合、パフォーマンスの向上と既存コードの再利用から恩恵を受けられる可能性がある。いくつか例を挙げると、信号処理、集中的な物理シミュレーション、ある種のデータ処理などだ」(Turner氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ