日立製作所は、統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」の小型高集積モデル「BS320」のサーバブレードラインアップに、サーバの負荷状況に応じてネットワーク処理を複数のサーバに分散する機能を持つ「ロードバランサブレード」を追加したことを発表した。7月6日から販売を開始する。
また、「ロードバランサブレード」を用いたウェブシステムのネットワーク設定をあらかじめ実施、検証して出荷する「ロードバランサブレードEasyStartサービス」も合わせて発表している。
日立は、「ロードバランサブレード」と「ロードバランサブレードEasyStartサービス」を提供することで、ウェブシステムを1シャーシで容易に構築できるようになるなど、さらなるシステム統合やTCO削減といったニーズに対応したい考え。
ロードバランサブレードに搭載されるのは、A10 Networksのサーバ負荷分散装置用OS「Advanced Core Operating System」。日立では、外付けのロードバランサ専用装置を用いた場合と比較して約40%の省スペース化を実現したとしている。価格は294万円で、7月31日に出荷を開始する。
ロードバランサブレードEasyStartサービスでは、専門の技術者が各種設定をあらかじめ実施、検証してから製品を出荷する。ウェブシステムの設計、構築コストの削減を支援するサービスで、日立では標準的なウェブシステムの設計、構築にかかるコストを約30%削減可能だとしている。価格は33万6000円で、7月31日に出荷を開始する。
加えて、アプリケーションも含めた導入をさらに容易にするため、各種ミドルウェアとの連携も強化。SOA基盤ソフトウェア「Cosminexus」との検証を重ね、ウェブサーバの構築基盤も含めて最適化した構成を提供可能にした。また、Microsoft Office SharePoint Serverと組み合わせた設計、構築ソリューションも提供していく。
「BS320」は今回の発表に合わせ価格改定も実施。SAN接続を行うシステムで、従来モデルとの比較で最大約25%削減するなど、初期導入コストの低減を実現した。
ロードバランサブレードは、日立が7月22日から23日にかけて東京国際フォーラムで開催する「日立uVALUEコンベンション2009」で展示される。