マイクロソフトは8月26日、神奈川県・パシフィコ横浜でテクニカルカンファレンス「Tech・Ed Japan 2009」を開催した。
基調講演では、マイクロソフトが掲げる「Dynamic IT」と、それを実現する製品群が説明された。本稿では、基調講演の中から「Windows Server 2008 R2」の話題をレポートする。Windows 7については、「マイクロソフト、Tech・EdでWindows 7を披露--あらゆるワークスタイルに対応と豪語」を参照して頂きたい。
Dynamic DCを実現するWindows Server 2008 R2
基調講演でWindows Server 2008 R2を紹介したのは、マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 業務執行役員本部長の五十嵐光喜氏だ。
WindowsServer 2008 R2は、Windows 7とカーネルを同じくするWindowsのサーバ製品。Microsoftでは、Dynamic ITを実現するための基盤のひとつとして最適化されたデータセンター「Dynamic Data Center」を提唱しているが、これを実現するのがWindows Server 2008 R2だと、五十嵐氏は述べている。
五十嵐氏はデータセンターの最適化に必要な要素の一例として省電力化を挙げる。システムが大規模化する中、消費電力の抑制は大きなコスト削減につながる。その点、Windows Server 2008 R2では、「コアパーキング」を中心とした新機能によって大幅な省電力化を実現しているという。
コアパーキングは低負荷時に必要の無いCPUコアを休ませることによって消費電力を抑える機能。CPUのパワーを最大限に利用して高いパフォーマンスを実現するという従来のWindowsの考え方から、大きく方向性が変わっており興味深い。
また、近年のデータセンターの傾向としては仮想化の活用が避けて通れない道となっているが、「Dynamic Data Center」ではそれを一歩進めて、物理環境と仮想環境の区別を無くすことを目指すという。そのために、Windows Server 2008 R2で提供される機能がVHDフォーマットだ。
VHDは仮想イメージファイルのフォーマットだが、このフォーマットの仮想環境上にインストールされたWindowsは、そのまま物理マシン上でも動作させることができるという。展開先が物理サーバか仮想サーバかを事前に考慮する必要が無くなるため、サーバ構成に柔軟に対応することができるようになるとのことだ。