編集部からのお知らせ
Topic 本人認証の重要性
宇宙ビジネスの記事まとめダウンロード

会社の礎となる「人材」をどのように育て活かすか--人的資源活用の基礎

梅田正隆(ロビンソン)

2009-09-03 13:00

 リーマンショックから1年近く経過して、転げ落ちた景気も底を打ち、ようやく薄日が差し始めてきたような気配が感じられる。しかし、この間「早期退職制度」と称した「肩叩き」や「リストラ」、正確には「整理解雇」に踏み切った企業も多かった。

 業績の悪化に伴う人員整理のことを「整理解雇」と呼ぶ。整理解雇は、人員整理をしないと倒産してしまうような切羽詰まった状況において行われる解雇のことだ。あるいは、業績悪化で縮んだ営業利益を、見た目だけでも良くするために行われる解雇とも言える。

「企業は人なり」の精神はどこに消えた?

 100年に1度などと言われる経済危機のさなか、退職すれば次の就職先を見つけることは極めて難しい。ほとんどの企業が採用を行っておらず、貯えがなければ生活に困ることは分かり切っている。そんな時期にあえて整理解雇を実施するというのは、かなり冷血的な意思決定とも言える。

 解雇すれば、解雇された人が持つ経験や知識、スキル、人脈は失われる。後でその人の代わりに別人を採用したとしても、立ち上げるまでには教育のコストも時間もかかる。合理性のない整理解雇は法に反する可能性が高い。それをあえて実行するという意思決定は、法に反するリスクを取りながら、人的資本を減らし、負債を増やしているように思えてならない。

 また、以前の労働基準法においても同じだが、早期退職(自己都合退職)を装った指名解雇を含む整理解雇については、司法的な判断からも、認められないことが多いのではないかと思われる。ご存じのように「整理解雇の4要件」という、整理解雇を厳しく規制する「判例法理(裁判所の過去の判例から導出された不文律)」が存在するからだ。

整理解雇の4要件 合理的な理由のない解雇は、判例法理によって規制される。

 従って、突然肩を叩かれたとしても、叩かれた人は必ずしも合意する必要はなく、例えば「転職先が決まるまでは辞める意思がない」ことを明言して、時間を稼いでみることもできる。そして都道府県労働局に相談してみるとよい。労働問題の専門家による無料の「労働紛争解決制度」を利用できる。

 ただ、不幸にも一度肩を叩かれてしまうと、その人のプライドやモチベーションは大きく崩れる。外見的な変化はなくても、ストレス性の疾患を発症するほど、深く心が傷つくケースもある。もちろん、その会社への忠誠心もきれいさっぱり無くなるだろうから、無理して会社に残っても、前向きに働くことは難しいかもしれない。

「Job Description」を作成していますか?

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

関連記事

関連キーワード
経営

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    MITスローン編著、経営層向けガイド「AIと機械学習の重要性」日本語版

  2. クラウドコンピューティング

    AWS提供! 機械学習でビジネスの成功を掴むためのエグゼクティブ向けプレイブック

  3. クラウドコンピューティング

    DX実現の鍵は「深層学習を用いたアプリ開発の高度化」 最適な導入アプローチをIDCが提言

  4. セキュリティ

    ランサムウェアを阻止するための10のベストプラクティス、エンドポイント保護編

  5. セキュリティ

    テレワークで急増、リモートデスクトップ経由のサイバー脅威、実態と対策とは

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]