「すでに携帯電話などでは、ひとつの製品の中でさまざまな機能の統合がソフトウェアによって実現されている。さらに、携帯電話などの通信とコンピュータ分野のデバイスが一体として提供される『コンバージェンス』も起こっている。今では、携帯電話、Netbook、ブラウザ、テレビ、自動車などさまざまな製品にデスクトップが存在する。それらに共通して使え、多くのプラットフォームに対応し、さまざまな機能を統合的に実現できるOSとして、Linuxはもっとも適している」と、Zemlin氏は述べている。
しかも今後、コンバージェンスはPC業界のビジネスモデルにも変化をもたらすという。そこで、オープンソースであるLinuxがもたらす「無料」が3つ目のトレンドとなる。
これまで、PC販売の仕組みはOSとミドルウェアによるソフトウェアプラットフォームを提供する企業がデバイスメーカーにそれをライセンスしてきた。
一方でデバイスメーカーは、その価格を上乗せして消費者に販売する。この時、アプリケーションとコンテンツの供給者は、誰にも手数料を払わず、単にこの市場から収益を上げるだけだった。
これに対して、新しいビジネスモデルでは、ソフトウェアプラットフォームの提供者はネットワークオペレータを介してユーザーにアプリケーションやコンテンツを販売し、そのロイヤリティを供給者に支払う形になる。
このとき、Linuxはソフトウェアプラットフォームが無料であり、独自のワークオペレータや高効率なソフトウェア収入によって、デバイスメーカーに大きなチャンスをもたらすという。
エンタープライズへ領域を拡大するLinux
Zemlin氏はLinuxCon 2009の講演の中で、「Linux by the Numbers」と題し、Linuxのめざましい躍進を示す記録を参加者に紹介している。