NECは10月26日、同社のサービス実行基盤ミドルウェア「WebOTX」を強化し、「WebOTX V8.3」として販売活動を開始した。
製品の強化のポイントとしては、「アプリケーションサーバ製品における運用性の向上とバッチ処理の効率化」「アプリケーション統合を容易に実現するサービスインテグレーション製品の強化」「仮想化環境に対応した新たなライセンス体系の導入」の3点が挙げられている。
アプリケーションサーバ「WebOTX Application Server」は、複数台のサーバに対して一括で環境設定が可能な運用管理機能を新たに追加。仮想化環境の構築などにより管理対象のサーバ台数が増加した場合などでも、設定ミスを減らし運用性を向上させているという。
また、Javaバッチプログラムに対応したアプリケーション実行基盤「WebOTX Batch Server」を新たに製品化した。オープンソースの「Spring Batchフレームワーク」を活用し、プログラムの起動性能を大幅に改善したという。この製品はソフトウェア開発環境である「SystemDirector」やジョブ管理ソフト「WebSAM JobCenter」とも連携可能。
アプリケーション統合に関する機能としては、フロントエンドマッシュアップ基盤として、複数のシステムを1つのポータル画面に集約するEIPソフトウェア「WebOTX Portal」を強化。ポートレット(ポータルを構成する個々の画面)の最新仕様である「Java Portlet Specification 2.0」への対応により、ポートレット間連携が強化され、業務システム連携が容易になるという。
また、バックエンドマッシュアップ基盤として、システム間連携を行う「WebOTX Enterprise Service Bus(ESB)」を強化して、高度な経路制御を実現した。これにより、負荷分散や連携先の切り替えが容易になり、連携するシステムの一部で障害が発生した場合でも迅速に代替システムへの切り替えが可能となるという。
ライセンス体系については、WebOTX Application Serverで物理サーバ単位でのライセンス体系を新設した。これにより、仮想化で仮想サーバの台数やCPUコア数が変動した場合でも、追加のライセンス料は不要となり、ライセンスコストを従来比で約64%削減できるとしている。
NECではWebOTXについて、今後3年間で6万システムの導入を目指すとしている。
価格は、WebOTX Application Server V8.3の場合、小規模向けの「Express」が27万5000円から、小、中規模システム向けの「Foundation」が120万円から。中、大規模システム向けの「Standard」が200万円から、超大規模向けの「Enterprise」が450万円から、となっている。WebOTX Batch Server V8.3が50万円から。WebOTX Portal V8.3が400万円から。小中規模システム向けの同「Express」が30万円から。価格はいずれも税別。その他、個別の製品や仮想ライセンス製品の価格、出荷予定日についてはリンク先を参照。