日立情報システムズ(日立情報)は10月28日、少額短期保険業向けASPサービス「AGMate/SSI」を機能強化したと発表した。今回の機能強化に合わせて、中堅規模の保険業、新規参入保険業および公益法人への販売を本格的に開始する。
AGMate/SSIは、少額短期保険業者の業務支援を目的に、事業計画のコンサルティングサービスから、ITシステムの提供、事務運営を含めたBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスまでをトータルにサポートするソリューション。2007年に発売を開始し、少額短期保険業者(火災、家財)向けでは、会社数ベースのシェアで約30%(2009年4月時点での日本少額短期保険協会登録社数より算出)を得ているという。
今回の機能強化では、BCP(事業継続計画)対応のため、ASPサービスを提供するデータセンタのバックアップとして、データ保管、システムバックアップ、システム切替などのディザスタリカバリサービスを新たに提供するほか、銀行口座引き落としに加え、コンビニ収納や、日本マルチペイメントネットワーク推進協議会が推進するPC、携帯、ATMを通じた料金出納システム「ペイジー(Pay-easy)」など、多彩な収納方式に対応した。
2008年12月の公益法人制度改革関連3法の施行に伴い、共済事業を行う公益法人は、経過期間の終了する2013年11月までに保険業法に則した対応が求められている。一方で、2006年4月の保険業法改正以降、少額短期保険事業者の新規立ち上げや保険業への新規参入が活発化しており、保険業法に対応したITシステム導入のニーズが、少額短期保険業を含めた保険業界で高まっているという。
あわせて、大手保険会社が取り扱う「団体向け特定保険商品」や、旅行、ゴルフなどをはじめとする新種保険などの契約管理システム、中堅規模の保険会社の基幹システムとしても、ITコスト削減を目的に、従来のホストコンピュータからASP型の保険システムへの移行ニーズが増しているとする。
日立情報では、これらの背景をもとに、AGMate/SSIの機能強化を行うことで、従来の少額短期保険業者に加えて、保険業や公益法人への対応を図り、より幅広いユーザーの獲得を目指すとしている。