一方のSales Cloud 2は、これまで提供されてきたSalesforce.comの営業支援(SFA)機能をさらに強化したものだ。今回新たに追加されたのは、Twitterのつぶやきから顧客や見込み客の興味を把握するのに役立つ「Salesforce for Twitter」、複数人数でのミーティングを設定する際のスケジュール調整などを支援する「Cloud Scheduler」、Salesforce CRM内のプレゼンテーション資料など、さまざまなドキュメントがモバイル機器で閲覧でき、そのままモバイル機器から顧客に送信することも可能になる「Mobile Content」などだ。
企業向けのFacebookやTwitterが欲しい!
Benioff氏が今回のイベントで最大の目玉として発表したのが、Salesforce Chatterだ。Salesforce Chatterは、Benioff氏が「なぜ企業向けのFacebookや企業向けのTwitterが存在しないのか」と疑問に思ったことから誕生した企業向けのコラボレーションサービス。「私はFacebookやTwitterで直接知り合いではない人ともつながっているが、そういう人が映画に行ったことを知っていても、自分の部下が大切な顧客に会いに行ったかどうかさえ知らないことがある。これは非常におかしなことだ。コンシューマーウェブにやられてしまっている」とBenioff氏は述べ、企業内でも情報共有することが重要だと強調した。
Chatterの具体的な機能としては、コンシューマー向けSNSのようにユーザーが自分の職歴や得意分野といったプロフィールを掲載する機能や、現在の状況を更新する機能、つながっているユーザーやアプリケーションからの最新情報を取得できるフィード機能、プロジェクトや部署単位などでグループが作れるグループ機能などだ。また、社内のビジネスドキュメントが更新された場合にアラートを送る機能や、情報の機密度やユーザーの職位などでアクセス権限を設定する機能も備わっているほか、TwitterやFacebookと連携し、これらのソーシャルアプリからChatter上に情報を表示させることも可能となっている。
Chatterは2010年に登場する予定で、Salesforce.comの有償ユーザーに対して提供される。また、Chatterのみを利用したい場合は、月額50ドルにて「Chatter Edition」が用意される。
基調講演では、Twitterで取締役を務めるJason Goldman氏も登場し、「Chatterはビジネスユーザーに必要な情報をリアルタイムで入手できる。これはTwitterの目指すところと同じだ」と述べた。
