上田氏は「CE Linux Forumとしても、早い段階からこれらの重要イベントの企画等に門戸を開いてくれた主催団体であるThe Linux Foundationに心から感謝すると同時に、そのオープンな姿勢に敬意を表したい。情報家電領域にとどまらず、Linuxの利用範囲が組み込みシステム全体へと大きく拡がる可能性がある。そのような状況下、今回、Kernel SummitやJapan Linux Symposiumが活況を呈したことには大きな意義がある」とも語っている。

一方、原田氏は「JLSでのTorvalds氏の積極的な参加姿勢に驚いた」という。「2007年からTOMOYO Linuxを提案するために『オタワ』を含め、これまで多くの会議に参加してきたが、Torvalds氏の姿を見かけたことはほとんどなかった」からだ。

「本人も認めているが、Torvalds氏はあまり社交的なタイプではない。今回の会議では、その彼が多くの取材に応え、会議外のイベントにも参加して記念撮影に応じてくれた。日本のオープンソースコミュニティにとって素晴らしいプレゼントとなった。これがきっかけとなり、カーネル開発やオープンソースに興味を持つ人たちが増えれば良いと思う」(原田氏)
さらに原田氏は、イベント全体の印象について、「結果については、予想以上で、記念すべき第1回のJapan Linux Symposiumは大成功と言って良いと思う。Linux Foundation Japan事務局の方々、運営を支えたボランティアの方々に感謝している」と語った。
開催成功を支えたボランティア
あまり知られていないが、JLS2009には、総勢20人の個人がボランティアとして参加し、会議の運営を支えていた。その中には、カーネルサミットのためにメンテナーが来日してからJLS2009が閉幕するまでの約1週間をフルでボランティア活動にあてた人たちもいる。