野村総合研究所(NRI)は12月21日、24の民間企業や団体によって設立された「認証基盤連携フォーラム」に参加し、総務省より受託した「『認証基盤連携による認証基盤間の相互運用性確保』の実証実験」を開始すると発表した。
NRIは、同フォーラムのもとに設立される実証実験ワーキンググループの代表企業として、本実証実験の計画、内容の検討、運営管理等を担当するという。
近年、ブロードバンドや携帯電話の急速な普及とともに、インターネット上などには複数のデバイスや通信事業者による独自の認証基盤が存在しており、それらが通信事業者やサービス、コンテンツ事業者における管理コストの負担増大や利用者の利便性低下といった課題を生んでいる。
この課題を解決するために、共通IDを利用した認証基盤連携について、様々な団体により技術開発や研究開発、普及が推進されている。しかし、認証基盤連携に対する消費者の理解や利用メリットの周知が不十分であったり、認証事業者間や認証事業者とサービス、コンテンツ事業者間での運用ルールが未整備であったりするため、実装する際の技術的課題や制度的課題の検証が不十分となり、それが普及の足かせになることが懸念されているという。
このフォーラムでは、「様々なネットワークやデバイスへのコンテンツ、アプリケーション配信」「認証、属性連携等の基盤の相互運用性、多様性の確保」および「ネットワークやデバイスを意識しない、コンテンツ、アプリケーションの利用」を目的として、電気通信事業者の持つ認証基盤の相互運用性の確保に関する実証実験を行っていくとしている。2010年3月下旬までに「同一の認証プロトコル内及び異なる複数の認証プロトコル間での相互接続性検証のための実証実験」「複数のデバイス間での利用者同一性検証のための実証実験」「その他認証基盤の相互運用性確保に向けた課題解決のための実証実験」と題された、3つの実証実験を行う予定という。