IDC Japanは1月14日、国内IT市場の産業分野別と企業規模別の2009年上半期実績の分析と2009〜2013年の市場規模予測を発表した。
同社予測によれば、2008年後半からの世界的な景気後退で業績を悪化させる企業が急増し、それに伴い国内IT投資も大幅な減速を余儀なくされるだろうとしている。
企業規模別では、従業員1000人以上の大企業の2009年IT投資額成長率はマイナス7.0%と予測。2010年は景気が回復することで、これまで延期されていたシステム刷新や新規開発が再開され、プラス成長に回復すると見込んでいる。
一方の従業員999人以下の中堅中小企業(SMB)の2009年IT投資額成長率は、景気低迷の影響を受けてマイナス10.3%と予測、2009年8月の調査からさらに下落しているという。2010年までマイナス成長を続けて、プラス成長への転換は2011年以降になるとみている。
しかし、SMB市場の場合、製造業で業務効率化促進、流通業で販売チャネル強化、顧客管理や購買分析の強化など、経営課題の解決をIT利用に期待する企業は依然として多く存在しているという。
同社ユーザー調査リサーチマネージャーの福田馨氏は「ITベンダーには、中堅中小企業に対してはシステム構築だけにとどまらず、ビジネスモデルや業務フローの刷新も含めた総合的な提案が求められている」と中堅中小企業のニーズが変化していると説明する。企業の各規模で見た2009年のIT投資額の予測は次の通り。
- 小規模企業(1〜99人):1兆1578億円(前年比成長率マイナス10.8%)
- 中小企業(100〜499人):1兆5128億円(同マイナス10.0%)
- 中堅企業(500〜999人):8174億円(同マイナス10.2%)
- 大企業(1000人以上):6兆2175億円(同マイナス7.0%)