Microsoftは現在、少し前ならば一笑したようなプロジェクトに大金を投資している。Facebookと連携するOfficeトレーニングプロジェクト、メディアプレイヤー向けのTwitterアップデートクライアントなどはその例だ。
Microsoftは、エンタープライズソフトウェア/サービスベンダーとして地位と名声を築いた企業だ。そのMicrosoftが今度はコンシューマーベンダーの地位を目指し、マインドシェアを獲得すべく、小売店向けの広告戦略、直販店、バイラルマーケティングキャンペーンなどを展開している。
だが、MicrosoftはガジェットやWeb 2.0にフォーカスすべきではないと見る人も多い。業界観測者、顧客、パートナー企業、それにMicrosoftの社員の中に、Microsoftは手を広げすぎであり、エンタープライズに専念すべきだと考える人は少なくない。
このような状況を考えながら、「ITのコンシューマー化」についてのMicrosoftの公式見解の資料を読んだ。これはパートナー向けにMicrosoftが作成した資料で、Microsoftがコンシューマーにフォーカスした市場や技術に投資を増加していることへの理解をパートナーの法人顧客が深めるために利用できるという。
MicrosoftはITのコンシューマー化について、「コンシューマーとしての技術体験--ハードウェアもアプリケーションも--が、職場で利用する技術に与える影響力」と定義している。
現実として、多くの家庭にパワフルなコンピュータがあり、MySpace、Twitter、ブログなどのソーシャルコンピューティングは日常生活の一部となっている。技術はわれわれの私生活において重要な役割を担っており、われわれはそのコンシューマー技術エクスペリエンスにおけるパワー、利便性、柔軟性、常にネット接続されている状況を当たり前のものとして使っている。同じだけのものを職場でも利用したいと思っているが、ほとんどの場合、そのツールが利用できないというのが現在の状況だ。
そこで、Microsoftだ。Microsoftはソーシャル要素を持つさまざまな技術をビジネスユーザーの手元に届けることができるツールや技術を提供している、とこのプレゼン資料は述べている。
仮想化技術(デスクトップ、アプリケーション、ユーザーの状態など場面に応じて)を使えば、ユーザー設定を一元化、同期化し、安全にできる。「SharePoint」に組み込まれる「People Search」のような機能を使えば、定評のある専門家に聞くよりも迅速に回答を得ることができる。コンテンツフィード、ポッドキャスト、ドキュメント共有、Wiki--すべてSharePointの一部として提供される--も、情報の発見と共有をスピーディにするものだ(Microsoftが「SharePoint 2010」のセールスポイントとして、ビルドインのソーシャルネットワークツールをプッシュしているのは、偶然の一致ではない)。Microsoftはまた、企業のIM、プレゼンス、ビルドインVoIPなどのユニファイドコミュニケーション機能を「Exchange」「Office Communications Server」などのソフトウェア/サービスに統合している。
あなた自身がソーシャルネットワークを信じていなかったとしても、次世代の職場にはそのような機能が必須となる、と資料は指摘する。ネットワーキング/ソーシャルコンピューティングツールを使いこなす「ミレニアム世代」がそのような環境を必要とするからだ。
「この世代の人たちは自分のデバイスが大好きで、技術に貪欲だ。そして、職場でも同じようにこれらのツールを利用できると期待している」とMicrosoftは記している。
MicrosoftがAppleやGoogleに敵対してコンシューマーにフォーカスすることは、正しい戦略なのだろうか?それとも、あるMicrosoftの株主が述べているように、「MicrosoftがAppleになることを期待していないし、なってほしいとも思わない」に合意しますか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ