日立製作所(日立)は、SOAプラットフォーム「Cosminexus V8」の機能を強化し、1月28日に発売すると発表した。この製品は、仮想化対応やシステム開発生産性向上についての機能が強化、拡充されており、同社では「迅速、確実なシステム構築を実現して、クラウド時代の変化に即応した企業のビジネス戦略実行を支援する」としている。
仮想化対応の点では、仮想サーバの構築時間を最大で10分の1に短縮する一括環境設定機能を新たに備えた。従来、業務アプリケーションが複数の仮想サーバ上に配置され実行されるシステムを構築する際には、仮想サーバの環境設定スクリプトを複製し、仮想サーバ1台ごとに業務アプリケーションの環境設定をする煩雑な作業が必要で、設定ミスのおそれがあったという。
また、今回「uCosminexus Application Server」では、物理サーバ、仮想サーバ、業務アプリケーションの対応構成を可視化することで、運用操作対象となる業務アプリケーションを指定するだけで、アプリケーションの起動や停止などの操作が可能となった。これにより、運用操作時間を最大で従来の3分の1に短縮できるという。
システム間接続機能については、SOA実行基盤製品「uCosminexus Service Platform」で既存のメインフレームやトランザクション制御システムから、新規業務システムへの連携を、Webサービス関連の標準技術をベースとしてシステム間のデータ連携を実現させる「サービスバス」でさらに容易にしている。また、SAPの「SAP ERP6.0」と新業務システム間をWebサービスで接続でき、日立では「これらのシステム間接続工期を従来比で最大50%短縮しており、接続システムの多様化に対応した迅速なシステム構築を支援できる」としている。
さらに、サービスバスによる高いメッセージ処理能力や各種アダプタ、BPELなどにより、数ギガバイト規模の大量メッセージの振り分けや変換を一括処理する入出力プログラムや、制御ロジック部分の開発量を削減できるという。同社では、これらの処理部分について従来比で最大60%の工期短縮が期待できるとしている。
価格は、アプリケーションサーバ「uCosminexus Application Server」(出荷開始は2月25日)が126万円から。SOA実行基盤製品「uCosminexus Service Platform」(同3月26日)が441万円から、大量データを集計分析する基盤製品「uCosminexus Stream Data Platform」(同2月26日)が210万円から。NGNを利用したウェブ、テレコム連携のためのアダプタ新製品「uCosminexus NGN Application Adapter」(同3月1日)が210万円から。