日立製作所は2月18日、日立の連結納税ソリューション「C-Taxconductor」のラインアップに、連結納税に関する業務アプリケーションをクラウドコンピューティング環境下で利用する「SaaS型連結納税ソリューションC-Taxconductorサービス」を追加すると発表した。4月1日から提供を開始する。
C-Taxconductorは、企業が連結納税を行うために必要な業務システムの導入コンサルティングやシステム構築、運用および保守サービスなどを提供するソリューション。日立は連結納税制度が始まった2002年から同制度の適用を開始しており、2003年には自社の導入ノウハウなどに加え、財務アドバイザリー事業を営むパートナーズ・コンサルティングの支援と監修を受けて開発したパッケージソフトウェアと組み合わせ、C-Taxconductorを開発した。同ソリューションは、連結下のグループ会社の法人税額の算定にとどまらず、地方税額の算定や税効果などさまざまな業務に対応しており、これまで製造業や流通業、金融業など、140グループ、4600社の企業への導入実績があるという。
C-TaxconductorのSaaS化にあたっては、アプリケーションの一部を提供する動作環境にCitrix SystemのXenAppを採用した。具体的には、Microsoft Office Excel形式の法人税の申告書をXenAppで画面転送している。これにより、入力などの操作性はこれまでと変わらずに、セキュリティとCitrix Systemsが開発したICA(Independent Computing Architecture)プロトコルによる狭帯域でのレスポンスを確保したとしている。
今回提供を開始するSaaS型連結納税ソリューションC-Taxconductorサービスは、連結納税制度における法人税や地方税の計算、申告書作成機能など、連結納税を行うために構築されたシステムと同じアプリケーションを提供する。SaaSで提供されるため初期導入コストが削減でき、自社にサーバを設置したりユーザーのPCにソフトウェアをインストールする必要はない。また、税制改正などにも対応するため、運用面の利便性も向上したとしている。
なお、同サービスは、日立のクラウドソリューション「Harmonious Cloud」の「ビジネスSaaSソリューション」のラインアップのひとつだ。Harmonious Cloudは、2009年7月から日立が提供しているクラウドソリューションで、ネットワークを通じてITプラットフォームリソースをサービスとして提供する「ビジネスPaaSソリューション」、アプリケーションプログラムの機能をサービスとして提供する「ビジネスSaaSソリューション」、企業内にクラウド環境を構築し運用する「プライベートクラウドソリューション」の3つのソリューションで構成されている。