NTTデータは3月2日、歯科向けに電子レセプト作成機能のASP型サービス「レセック」の提供を開始したと発表した。レセックは、日本歯科医師会の会員向けに“レセコン”をASP型で提供する。
通常、医療機関が診療報酬請求の際に審査支払機関に提出する電子レセプトの作成にはレセコン(レセプトコンピュータ)などに搭載される専用ソフトが必要だが、レセックのユーザーは必要なときにネットワーク経由でアクセスし、レセプトを作成できる。
レセプト作成ソフトウェアの基本機能となる「患者登録」「診療入力」「窓口精算」「電子レセプト作成」などの機能を持ち、領収証、5種類の指導文書、薬剤情報提供文書、処方せんなどを印刷できる。個別の歯科診療所の使い方にあわせ、よく使う診療行為や薬剤、特定機材、コメントなどのカスタマイズができ、各診療所に適した状態での利用が可能だとしている。
レセックでは、サービスの利用は月単位となるため、いつでも申し込みや解約ができ、一般的なレセコンに比べて導入しやすいのが特長という。従来のソフトウェアは、各診療所で診療報酬改定時などの場合バージョンアップなどのメンテナンスが必要だったが、レセックではデータセンター側で最新版に更新されるため、診療所側での追加料金や手間がかからないとしている。
レセックから入力されたデータは、セキュリティ対策を施したデータセンターで厳重に管理され、診療所のPCが故障した際などでもデータの破損や消滅のリスクを回避できるとしている。レセックでの入出力に利用するネット上の通信には、NTTデータが提供するレセプトオンライン接続サービス「@OnDemand」を活用し、厚生労働省のガイドラインに準拠したセキュリティ対策を施すことで、ネットワーク上の安全性を確保しているとしている。
価格は、登録料が5万円、導入支援サービス料が2万9800円から、3IDまでの利用料を含む月額利用料は1万9800円となる。同サービスの一部は、電子レセプトの推進を目的とした「平成21年度 医療施設等設備整備費助成事業」の助成対象になる。
NTTデータでは、医療制度改革にもとづく今後の政策や顧客動向を見据えながら、ヘルスケア分野のビジネスに積極的に取り組んでいるという。歯科業界向けには、レセックの利用拡大を通じて、歯科診療所のレセプトオンライン請求の業務効率化に寄与していくとともに、今後も医療分野全般で各種ASP型サービスの提供を通じて、医療分野でのIT活用に貢献していきたいとしている。
レセックは日本歯科医師会が企画、開発協力を担当し、NTTデータが開発。1月22日から会員からの利用申込受付などの販売活動を開始している。