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ニューノーマル時代の業界再編:再編を予測も影響を把握しきれない日本企業

田中好伸(編集部)

2010-03-03 17:42

 2008年9月のリーマンショック後、世界経済の風景は一変してしまった。米国の過剰消費に支えられていた経済構造が崩れ去ったからだ。資産運用の世界大手PIMCOは、現在の不安定な経済状況を「New Normal(新たな常態)」と呼びこの言葉は一気に市民権を得た

 この新たな常態ではどんなことが起こりえるのか。すでに世界はフラットになっており、企業の競争も一国にとどまるものではなく、常にグローバルな競争を強いられている。

 日本国内の大手企業もそうしたことは分かってはいるものの、自社が置かれている状況を把握しきれていないのが実情のようだ。プライスウォーターハウスクーパースがこのほどまとめた調査で明らかになっている。

 同社は2003年から隔年で「M&A実態調査」を実施。今回は業界再編の動向に着目して、(1)国内での業界再編、(2)グローバルでの業界再編、(3)日本企業による海外投資――という3つのテーマを中心にしている。

 調査では「2010年以降、自社が属する業界で国内の再編が進展すると思う」と回答した企業は約6割、また「2010年以降、自社が属する業界でグローバルな再編がすると思う」企業も7割存在するということが明らかになっている。「2008年から2009年までで(グローバルな再編が)進展している」と回答した企業が4割という結果と比較すると、国内とグローバルの両方で業界再編が今後激化すると予想する企業がいかに多いかが分かる。

 日本企業による海外投資については、「2008年から2009年で海外投資が拡大したか」という質問に対して「拡大している」としたのが、大規模企業で53%、中規模企業で35%となっている。「2010年以降、自社が属する業界で海外投資が拡大するか」に対して「拡大する」と答えたのが大規模企業で77%、中規模企業で47%という結果になっている。日本企業の海外投資は、2009年までよりも拡大する気配があると分析できる。

 プライスウォーターハウスクーパースは、今回の調査結果を受けて、国内とグローバル、どちらでも今後は再編が進展するとみる企業が多く、国内の市場環境に危機感を抱いており、グローバルレベルでの今まで以上の競争激化を予想していることの表れと説明している。

 だが、再編が自社に与える影響は「分からない」との回答が半数以上となっており、業界再編の進展を予想しているにもかかわらず、自社の置かれている状況を十分に把握できておらず、生き残りのための明確な戦略を有していないのではないかと同社は危惧している。

 同社は、日本国内の企業が加速する業界再編に対応するためのポイントとして(1)先手必勝の再編、(2)ステークホルダーへの説明と理解獲得、(3)中長期的な業界分析も踏まえたシナリオメーキング――を考慮すべきと提言している。

 調査は、日本国内の上場企業と未上場有力企業、合計約6500社を対象に行われている。調査の結果は「M&A白書2010」としてまとめられている。

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