HTML 5はFlashを葬り去ることになるの?
その可能性は低いと思うよ。というのもここ当分のうちは、HTML 5がウェブサイトの構築やWebアプリケーションの配備に使用されるような状況にはならないだろうという声も多いからね。
HTML 5はWeb Hypertext Application Technology Working Group(WHATWG)によって開発されているんだ。WHATWGは、HTML規格の策定に興味を抱いている人々のコミュニティーであり、AppleやGoogleも参加しているんだけど、そのアプローチに対して懐疑的な見方を示しているアナリストもいるんだ。
HTML 5の規格化に批判的な人々は、HTML 5仕様の編集者であるIan Hickson氏の述べた、最終的に仕様が承認されるのは2022年以降になるだろうという言葉を引き合いに出し、正式な策定に至るまでの時間が長すぎると述べているよ。
GartnerでWebアプリケーションおよびクラウドアプリケーションの開発についての調査を行っているシニアリサーチアナリストであるEric Knipp氏は、「HTML 5によって将来的にどういったことが実現されるのかについてはいろいろと語られているものの、そういったことが見えてくるまでに長い年月がかかる可能性もある」と述べている。
また同氏は、「仕様策定に取り組んでいる人々の間でも、すべての規格化は2022年までに完了するものの、ブラウザベンダーらがその機能をきちんと実装するまでにさらなる時間を必要とするという予測がある」とも述べているね。
Knipp氏は、HTML 5が広く受け入れられる頃には、FlashとSilverlightが十分な時間をかけてパフォーマンスや機能を向上させており、HTML 5によって実現されるWebアプリケーションに優るとも劣らないものが提供されるようになっているはずだと考えているよ。
Knipp氏は「委員会ベースのアプローチによってイノベーションに挑むと失敗することになるというのが私の考えだ。HTML 5では、FlashやSilverlightがもたらすものを超えるイノベーションを提供できるとは思えない」と述べるともに、次のように述べているんだ。
「今から3〜5年後には、オープン規格のHTML 5がほぼ実装されているだろうが、FlashやSilverlightの域には達していないと考えられる」
「MicrosoftとAdobe Systemsは試行錯誤を重ねてイノベーションを生み出し続け、規格団体の先を歩み続けるだろう」
また、OvumのBaer氏は「(ウェブサイトやWebアプリケーションの設計時にHTML 5への対応を検討することは)企業にとってまだ時期尚早だというのが私の考えだ」と述べるともに、次のように述べているよ。
「規格がまだ開発途中であり、いつ変更されるかもしれない現段階では、対応する価値がないと思う」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ