日本ユニシス、ヤマダ電機へ「モバイルWiMAXサービス」のシステム基盤をICTホスティングで提供

富永恭子(ロビンソン)

2010-03-09 15:50

 日本ユニシスは3月9日、 家電小売業大手のヤマダ電機が「モバイルWiMAXサービス」のサービス基盤となる「加入者契約管理・課金請求管理システム」を、日本ユニシスが保有するICTホスティング環境で運用開始したことを発表した。

 モバイルWiMAXサービスは、無線通信規格「WiMAX」を移動通信に活用する技術を用いて、ブロードバンド回線と同等の速度と料金でワイヤレスモバイル環境を利用可能とする新たな通信サービス。日本では、UQコミュニケーションズが総務省から免許を得て2009年7月に商用サービスを提供開始した。ヤマダ電機は今回、自らモバイルWiMAXサービスのMVNO(Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体サービス事業者)としてモバイルWiMAX通信ビジネスに新規参入している。

 ヤマダ電機のモバイルWiMAXサービス事業を支える加入者契約管理・課金請求管理システムは、日本ユニシスグループのユニアデックスが運用するインターネットサービス「U-netSURF」のノウハウやシステムをベースに開発した、MVNEサービス(仮想移動体通信事業支援サービス)だという。この運用に日本ユニシスのICTホスティングサービスを利用することにより、システム立ち上げのコストを抑えるだけでなく、将来の加入者数増加やヤマダ電機が新たなサービスメニューを展開する場合にも、迅速かつ柔軟なシステム対応が可能だとしている。

 合わせて、ヤマダ電機はウェブショッピングサイト「Yamada-Denki WEB.COM」の基盤としても、日本ユニシスのICTホスティングサービスを採用した。近年、同社のシェア拡大に伴いショッピングサイトの利用者も激増し、高負荷状態となっていた。そこで、インフラ刷新による処理能力アップにより、同サイトを利用する顧客へのサービス向上、満足度向上と今後のさらなるサービス拡大を目指して、これに対応可能な基盤を整備したという。日本ユニシスは、基盤として利用型のICTホスティングサービスを提供することで、ITコストの削減に加えて、同社が積極的に取り組んでいる環境負荷軽減にも貢献したとしている。

 日本ユニシスによれば、同社の持つクラウド型iDC基盤「MiF」は、最新の技術を採用し、ディザスタリカバリ、高いデータセキュリティ、多様なストレージ、高速ネットワークの利用など、エンタープライズクラウドとしての要件を備えるという。日本ユニシスは、この基盤上で、ICTリソースや機能を柔軟に組み合わせた環境をスピーディーに提供するICTホスティングサービスをはじめ、利用型のICTサービスを提供している。

 日本ユニシスは、今後もヤマダ電機の事業を支えるシステム基盤を提案、提供するとともに、ヤマダ電機でのプロジェクトにおけるノウハウやシステム資産をもとに、MVNO事業者向けのサービス事業を拡大していく予定だという。また、MiFをベースに、低価格で安定した利用型のICTサービスメニューを提供し、刻々と変化する企業環境を支援するとしている。

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