今回日本代表の座を競って最終選考まで残ったチームは、優勝した筑波大学付属駒場中高等学校以外にも3チームあった。2008年と2009年に日本代表となった同志社大学のチーム「NISLab」および「NISLab++」のDNAを引き継いだ「NISLab#」と、同じく同志社大学のチーム「AI3」、そして福島工業高等専門学校のチーム「Growing」だ。
2位以下の順位は、2位がAI3、3位がNISLab#、4位がGrowingとなった。3位のNISLab#は、2009年の日本代表チームNISLab++が発表したオンラインテキストブック「PolyBooks」をさらに発展させ、授業の質を改善するアイデアまで盛り込んだ作品を発表したが、今回は日本代表の座を手にすることができなかった。AI3は、水くみ作業の自動化を実現するシステム「NEREID」を発表、またGrowingは、寺子屋のようなシステムで識字率を挙げるという「TERAKOYA Net」を発表した。
今大会で審査員を務めた東京大学大学院 准教授 博士の杉本雅則氏は、「どのチームも、作品のでき具合や発表レベルがすばらしかった」と参加者全員をねぎらった上で、優勝したPAKENに対し、「非常に斬新なアイデアだ。ただし、他人の荷物を航空機で運ぶことが許されるのかといったような法律問題や、預ける人の信頼性をどう確認すべきかといった問題もある。いくつかの問題は技術で改善できるはずなので、世界大会に向けて解決しつつがんばってほしい」と述べた。
PAKENのチームリーダーである石村氏は、「世界大会までにクリアすべき課題は多いが、ここで一緒に戦ったほかのチームのアドバイスや、審査員からの意見などもふまえつつ、世界大会で優勝できるソフトウェアを作っていきたい」と、世界大会への思いを語った。
なお、Imagine Cupの日本大会は、これまでソフトウェア開発部門のみ行われていたが、今回より組み込み開発部門でも日本大会が行われることになった。組み込み開発部門の日本大会は3月30日に開催され、そこでも世界大会に参戦する日本代表が選ばれることになる。