カードかざさずに認識する入退室管理システム--日立とNTTコムウェア

田中好伸(編集部)

2010-03-12 12:12

 NTTコムウェアと日立製作所は3月11日、ハンズフリーの入退室管理システムを共同開発したことを発表した。日立のワイヤレスインフォベンチャーカンパニーが開発したカード型セミアクティブRFIDタグ「AirLocationMJ」を活用した。

 AirLocationMJの厚さは業界初という3mm以下。普通の状態では電波を発信しないが、約100KHzの電磁波(Low Frequency:LF)を検出したときに、検出したLFの番号とタグの固有IDを発信する。LF発信用ループアンテナを検知したい地点に設置することで、正確に検出地点を特定できるという。リーダにかざさなくても認識されることから、たとえば管理ゲートを通過することで認識されるようにもできる。

 現在多くのオフィスで利用されている入退室管理システムはICカード方式を採用しており、ICカードをリーダにかざして認証し、扉が開錠されるという仕組みだ。しかし、ICカード方式は、かざされたICカードを認証するが、扉を開錠した人間が実際に入室したのか確認できない。また1人が扉を開錠した際に複数の人間が同時に入室したことを検知できないという課題があると指摘されている。

 そのため、より厳格な入退室管理が求められる場所では、扉の通過状況をより確実に把握できるハンズフリー型の入退室管理システムの導入が進みつつあるという。

 NTTコムウェアと日立製作所は、ハンズフリーでの認証、通過検知が可能な入退室管理システム構築のために2008年から共同で検討を進めてきた。その中で、より薄型で携帯しやすいタグにしてほしいというニーズが高いこと、カード型タグ発行時の券面印刷作業で効率化が可能な形状であることなどを受けて、NTTコムウェアが仕様を取りまとめて、日立のワイヤレスインフォベンチャーカンパニーがAirLocationMJを開発している。

 現在、NTTコムウェアで開発した入退室管理システムにAirLocationMJを採用して、NTTコムウェアのグループ企業を含む全国17拠点3万ユーザーへ導入を進めている。この仕組みを応用してイベント会場などの入退場や滞留時間などを確認できるNTTコムウェアの「RFID来場者動線分析サービス」を展開しているという。

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