日本ヒューレット・パッカード(日本HP)と日本オラクルは4月14日、企業のアイデンティティ管理(ID管理)に必要なハードウェア、ソフトウェア、導入サービスをパッケージ化した「ID管理スターターパック30」の販売を共同で開始したと発表した。両社によれば、通常であれば3カ月程度かかる企業のID管理システムを最短30日で導入可能という。
コンプライアンスの継続的な維持にあたっては、一般的に従業員のIDやパスワード、権限などを適切に管理することが求められる。その一方で、企業活動のグローバル化、合併や分社、雇用形態の多様化などにより、従業員のアカウント登録や削除の承認、監査、棚卸しなどの管理は複雑になっているという。また、ID管理は広範囲にわたる業務プロセスに関係するため、要件定義や実際の導入に時間とコストがかかることが問題になっているとする。
今回両社が提供を開始するID管理スターターパック30は、日本HPが持つセキュリティ、ID管理システムの構築ノウハウに基づいた、ID管理の要件定義を短期間で実現するテンプレートと、「Oracle Identity Manager」が持つセキュリティやコンプライアンス機能を組み合わせているため、短期間かつ低リスクで導入ができ、ID管理に関する課題を解決できるとしている。ID管理導入に必要なハードウェア、ソフトウェアをパッケージ化しているため、小規模なID管理環境を最短30日で構築でき、ユーザー数や適用範囲の拡大にも対応可能という。
要件定義を行うためのテンプレートには、HPのノウハウに基づいて作成されたヒアリングシート、要件定義書、管理者用の基本設計書操作手順書、結果報告を含んだテスト仕様書が含まれる。また、ソフトウェアとしては、オラクルの「Oracle Identity Manager」(100 Employee Userライセンス)、「Oracle Identity Manager Connector」(Microsoft Active Directory、Sun Java System Directory、Oracle Database Applications Tableの中から1つ選択)、「Oracle Database Standard Edition」(1 Processorライセンス)が含まれる。ハードウェアは、HP ProLiantサーバー DL320G6(ラックマウントタイプ)、HP ProLiantサーバー ML330G6(デスクトップタイプ)から選択が可能だ。
ソフトウェア、ハードウェア、導入サービスが含まれるID管理スターターパック30の価格は、892万5000円。ソフトウェアと導入サービスが含まれる「ID管理スターターパック30 ライト」の価格は、819万円。いずれも4月16日より提供が開始される。