レッドハットは4月15日から、クラウドサービスとの連携を強化したSOAプラットフォームの最新版「JBoss Enterprise SOA Platform 5.0」の提供を開始した。
JBoss Enterprise SOA Platformは、アプリケーションサーバ「JBoss Enterprise Application Platform」のアーキテクチャ上にエンタープライズサービスバス(ESB)の「JBoss ESB」、ワークフロー実行基盤(BPM)の「JBoss jBPM」、ビジネスルール実行基盤「JBoss Rules」を統合した単一のソリューションとして提供される。あわせて統合開発環境(IDE)の最新版「JBoss Developer Studio 3.0」の提供も開始した。
最新版となる5.0では、ネット上に提供される各種クラウドサービスとの連携を容易に実現するための機能を中心に、サービス連携を容易に実現するための各種機能が強化された。
レジストリ面では、Webサービス用検索システムの規格である「UDDI v3」に準拠した新しいレジストリ機能が追加され、サービスの登録、サービス問い合わせ、サービスのセキュリティ管理が新しい管理コンソールから容易に操作できるようになったという。同社は「JBoss Enterprise SOA Platformはサービス連携の実行基盤だけでなく、クラウドサービスと連携していくためのサービスレジストリとしての運用管理基盤としても利用できるようになった」としている。
モニタリング機能の点では、管理コンソールが新たに追加され、サービスの利用率、Javaベースの標準インターフェースである「JMS(Java Message Service)」や各種データソースのアクセス状況を確認することができるようになった。さらに管理ツール「JBoss Operations Network for SOA Platform」の追加コンポーネントを利用すれば、完全なサービスモニタリング、運用監視を実現することができるようになるという。
また同梱されているルール機能で、ビジネスルール実行管理基盤の「JBoss Enterprise BRMS 5.0」と連携できるようになった。JBoss Enterprise SOA Platformでは、すでにルール機能を提供しており、多数のサービスや複雑なワークフローを動的に連携させているが、JBoss Enterprise BRMSとの連携強化でビジネスルールの開発、可視化、運用管理が、ビジネスユーザーからも容易にできるという。
開発環境のJBoss Developer Studio 3.0は、オープンソースソフトウェア(OSS)のIDE「Eclipse 3.5」をベースに「JBoss Enterprise」製品を利用するために必要となる最新のプラグインユーティリティが組み込まれ、サービス定義のためのウィザード、データ変換のマッピングツール、BPMフローの定義と実装ツール、ビジネスルール定義ツールなどが用意されている。
JBoss Enterprise SOA Platform 5.0は、OSSとして提供されライセンス費用は無償。テクニカルサポートや製品アップグレード、修正プログラムをすべて含んだ費用は年額のサブスクリプションに含まれており、4CPUあたり263万8000円(税別)から。JBoss Developer Studio 3.0は、1サブスクリプションあたり2万円(税別)。これらの製品はレッドハットのウェブサイトからダウンロード提供する。