IDC Japanは4月21日、国内ソフトウェア市場における2009年の推定と2010〜2014年の予測を発表した。これによると2009年の国内ソフトウェア市場は2兆234億4500万円で、前年比成長率マイナス10.6%となっている。
また、2009年の国内ソフトウェア市場を大分類市場別に見ると、アプリケーション市場規模は、前年比成長率マイナス16.2%の7905億500万円、アプリケーション開発・デプロイメント市場は、同マイナス6.7%の4347億5200万円、システムインフラストラクチャ市場は、同マイナス6.6%の7981億8800万円と推定し、ソフトウェア市場全体が前年比成長率でマイナスになったとしている。その中でもアプリケーション市場が大きくマイナスになった原因として、オーサリンング&パブリッシングソフトウェア製品の不振、製造業のIT投資抑制に伴うアプリケーション分野全般に対する投資控えが、市場に大きな影響を与えたとIDC Japanでは分析している。
一方、2010年の国内ソフトウェア市場については、前年比成長率マイナス5.7%、市場規模は1兆9081億6900円と予測しており、2009年より2年連続でマイナス成長になるとしている。また2009年から2014年までの年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は0.6%、2014年の国内ソフトウェア市場は2兆882億4600万円になるとみており、2兆850億600万円だった2006年時点の市場規模を若干上回る程度になるとしている。これは、国内ソフトウェア市場が2008年を市場規模のピークとして、2009年には4〜5年前の市場規模に縮小し、2009年から将来に向けた5年間で、2006年時点の市場規模と同程度にしか成長しないことを意味しているという。
IDC Japan、ソフトウェア&セキュリティグループマネージャーの赤城知子氏は「2009年第4四半期より凍結、延伸していたプロジェクト案件が動き出しており、国内ソフトウェア市場は最悪の時期を抜け出した。しかし、不況下で厳しくなった企業のソフトウェア投資の仕分けが緩和されることはない。また、テクノロジの進歩に対する対価が低価格化する中で、リプレース案件に頼るだけでは市場は縮小の一途となる。企業のITに対する期待が、非常に特別な存在から平易で汎用的な存在へとシフトしていく中で、ソフトウェアベンダーはナンバーワンかオンリーワンでなければ生き残れなくなっていく」とコメントしている。