--この人物がデータをこれほど安く売り、それでも利益を出すことが可能なサイバー犯罪エコシステムのビジネスモデルとは、どのようなものか?
このビジネスモデルにおいては、最近言われている「悪意の規模の経済」というフレーズにふさわしく、供給コストが減少し続けている。この、効率主導のサイバー犯罪モデルは、実際問題として非常に成功しており、意識しているか無意識かは分からないが、サイバー犯罪者は市場の流動性の基本と「アンダーグラウンド商品」の時間的価値をよく理解しており、特にFacebookアカウントのような価値が減っていく資産(対象のユーザーがマルウェアに感染していないホストからパスワードを変更してしまえば価値はゼロになってしまう)の価値については敏感だ。
--サイバー犯罪者がFacebookアカウントへのアクセスを欲しがる理由は?
さまざまな不正な理由があり得るが、そのすべてが、破られたアカウントの所有者と、その所有者の友人のネットワークの間にすでに確立された信頼関係を悪用しようとするものだ。
詐欺師が困った立場になって金銭が必要になったことを装い、送金させるという方法から、クライアントサイドの攻撃を行うサイトに誘導するステータスメッセージを表示させようとするマルウェアキャンペーンまで、さまざまな不正があり得る。ユーザーの友人のネットワークが、詐欺行為や、悪意をもった仕組みやキャンペーンを広げるサイバー犯罪者のネットワークに転化するということだ。
またVeriSignのiDefense Intelligence Operations Teamは、興味深い見方をしている。
Facebookのユーザー規模は、世界で3億人にまで増えているが、この無視できないマーケティングプラットフォームは、サイバー犯罪者の武器工場に簡単に統合することが可能であり、基本的な市場セグメントに基づく局地的で標的を絞ったソーシャルエンジニアリング攻撃により、マスマーケティングの手法に比べて高いコンバージョン率を得ることができる。
事実かどうかはわからないが、この広告の中身を考えると、読者もマルウェアに感染していないホストからFacebookのパスワードを変更する頃合いかも知れない。システムに悪意のあるコードが存在していれば、強いパスワードも弱いパスワードと同じくらい弱くなってしまうものだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ