突然ですが、2008年の6月から連載を開始させていただきました「エリック松永の英語道場」が6月に50回を迎え、ひとつの区切りとして終了することになりました。最初は5回程度の予定で書き始めたこの連載が50回を迎えられるのは、読者の皆さまのお陰です。本当に応援ありがとうございました。今回を含めてあと2回となりましたが、いつものように自然体で書こうと思っています。最後まで温かい目でお付き合いお願いいたします。
今回はおさらいの意味も込めて、初心者向けの英語学習についてお話します。
Jazzと英語は同じ?
さて、エリック松永と言えば、変な経営コンサルタント、英語堪能、そして元Jazzミュージシャンです。そんな私がよく受ける質問のトップ3は、
- どうしてJazzミュージシャンからコンサルタントになったの?
- Jazzを始めたいんだけど、理論が難しそう。どうすればできるようになりますか?
- どうやって英語を勉強すればいいですか?
になります。コンサルタントがJazzと英語? 実はJazzを学ぶことは、英語を学ぶことと大変共通点が多いのです。
Jazzは即興演奏といって、その場でフレーズを生み出しながら自由に演奏するスタイルをとっています。
「Jazzって難しい」「理論がわからない」「かっこいいフレーズがでてこない」「どうして即興演奏なんてできるんだろう」--Jazzを学ぶ多くの人は、こう言って挫折していきます。これって英語と似てると思いませんか? 「英語って難しい」「文法が分からない」「とっさに話かけられて返答ができない」という言葉をよく聞きますからね。
理論の積み上げでは何も生まれない
Jazzの勉強は音楽理論から始まります。スケールと呼ばれるドレミの勉強、和音の構成などがこれにあたります。しかし、このお勉強から始めると、よほど忍耐が強い人でない限り挫折します。
そもそもJazzの理論とは何でしょうか? Jazzの創成期に音楽理論は存在しませんでした。Jazzネイティブと呼ばれる人たちは、譜面も読めない状況で即興演奏を楽しんでいました。その演奏があまりにかっこいいので、どうすれば同じような演奏ができるかを考えた末、論理的に分析し、Jazzネイティブの即興演奏を再現できないかという流れで理論が生まれたのです。つまり、理論の積み重ねで素晴らしい即興演奏が生まれたのではなく、素晴らしい即興演奏を演奏したいがために理論が生まれたのです。