Microsoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2010」世界大会が、7月3日から8日までの日程でポーランドの首都ワルシャワにて開催される。今回で8回目となる同大会では、ソフトウェアデザイン部門と組み込み開発部門に日本の学生が参戦する。
日本代表としてソフトウェアデザイン部門に挑戦するのは、筑波大学附属駒場高等学校のチーム「PAKEN」、組み込み開発部門に挑戦するのは東京工業高等専門学校の「CLFS」だ。これらのチームは、3月に開催された日本大会にてポーランドへの切符を勝ち取った。
ソフトウェアデザイン部門と組み込み開発部門は、世界大会への参戦チームが多いこともあり、Imagine Cupの中でも大きく注目される部門だ。世界中から各国の代表として選ばれた優秀なチームが、世界大会の審査員数人の前で英語にてプレゼンテーションを披露する。そこで勝ち抜いた上位のチームは、大きな舞台上で世界中の参加者を前に最終プレゼンテーションを行い、その後優勝チームが発表される。
過去の大会での日本代表の成績はというと、別部門で上位入賞を果たしたケースはあったものの、この2つの激戦部門では健闘も及ばずあまりいい結果を残していない。2006年の大会で、現在東京大学 知の構造化センター 特任助教の中山浩太郎氏率いるチームが、3年連続世界大会出場後に6位入賞を果たしたものの、中山氏以外のチームは1回戦さえ突破した経験がないのが現状だ。
毎回悔し涙を流す日本代表の学生たち。マイクロソフト日本法人でも、これまでベンチャー企業を学生のメンターとしてあてがい、ビジネスのプロの視点からアドバイスが受けられるようにするなどしてきたが、今回はそれだけではない。マイクロソフトが自ら学生に向け、事前に本格的な研修を実施しているのだ。
事前研修は、5月下旬から6月下旬の1カ月間に渡って合計9回開催された。うち、第7回目の技術者によるフィードバックと、第8回目の英語レッスンを見学する機会があった。
第7回目は、マイクロソフト調布技術センターにて開催された。同社の技術者集団が集まる場所である。マイクロソフト 最高技術責任者の加治佐俊一氏をはじめ、Windows担当、Office担当、Bing担当などのさまざまな技術者が学生たちを囲む。加治佐氏が同社の技術者に「Bill Gatesの前でプレゼンしたことのある人は?」と問いかけると、数人の技術者の手が上がる。そんな技術スキルもプレゼンスキルも優れたマイクロソフトの技術者の前で、2チームの学生たちは英語でプレゼンテーションを披露した。