日立システムアンドサービス(日立システム)と日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト)は、ビジネスブレイン太田昭和(BBS)と連携し、中堅企業のIFRS対応を支援する「IFRS対応サービス」の提供を7月6日から開始すると発表した。
日立システム、日立ソフト、BBSの3社は、中堅企業のIFRS対応をサポートしていくことを目的に、3月1日に日立グループ6社で発足した「日立IFRSソリューションコンソーシアム」のメンバー。また、日立ソフトと日立システムは10月1日付で合併し、「日立ソリューションズ」としてスタートする予定となっている。今回、提供を開始するサービスは、同コンソーシアムで開発、提供する「日立IFRS導入支援ソリューションメニュー」のひとつだという。
世界における会計基準としてのIFRS採用の流れは急速に広がっている。日本でも、2009年6月に金融庁からIFRSの強制適用是非を2012年に判断し、2015年または2016年から強制適用を開始するという方針が出されている。先行企業によるIFRSの任意適用も一部で始まっている。しかし、IFRSは原則のみが定められた基準であるため、これに基づく財務諸表を作成できる体制を整備し、自社の会計処理の考え方を自ら決定、説明することが求められる。そのため、対応要員の育成、体制整備や会計方針の見直し、事務負担の増加による人手不足、システムの対応など様々な課題が考えられる。中でもシステムに関わる課題は大きく、IFRSを理解した人員がいないため要件をIT部門へ適切に伝達できない、要求を仕様に落とせないといった点が懸念として挙げられているという。
今回、3社連携で提供を開始するIFRS対応サービスでは、BBSの公認会計士のノウハウを活かしたコンサルティングサービスと、日立システム、日立ソフトの業務システム構築ノウハウに基づくITソリューションを融合し「会計+IT」の両面からワンストップで企業のIFRS対応を支援するという。
具体的には、監査経験を持った公認会計士及び経験豊富なコンサルタントによるサービス提供とともに、監査法人のアドバイザリサービスでは難しいとされるサービスも提供する。また、IFRS導入の際、必要となる会社独自の会計基準の策定と、それに対する監査法人の合意について、監査法人の要請に応えるため、ユーザーの立場に基づく現状調査、論点整理、根拠資料の作成等の作業を支援する。さらに、大規模システム構築で培った経験、ノウハウを活用し全社を横断するプロジェクトマネジメントを支援するなど、コンサルティング、システムエンジニアリングサービスから稼動まで、一貫した支援を提供することで、企業の目的に合ったシステム構築と企業のIFRS対応をワンストップでサポートするとしている。