富士通とCA Technologies(CA)は9月16日、両社のシステム運用管理製品の強化と、クラウドに向けた戦略的協業を推進することで合意したことを発表した。
今回の協業により、マルチベンダー環境のシステム運用管理を強化するために、両社の持つソフトウェア製品を相互に補完。また、両社製品を組み合わせることで、業務プロセスの観点でユーザーのITシステムアプリケーションの稼働や性能状況を見える化する新たな運用管理が実現するとしている。
協業の第1ステップとして、富士通とCAの間で相互製品のOEM契約を締結。富士通は、CAのアプリケーション性能管理ソフトウェア「CA Application Performance Management」(CA APM)を、同日より販売開始する。また、CA APMと富士通の統合運用管理ソフトウェア「Systemwalker」の組み合わせで、SOAソフトウェア「Interstage」や他社SOA環境上で構築されたアプリケーションの管理も強化する予定だという。
CA APMは、アプリケーションを利用するエンドユーザーの視点でアプリケーション処理性能を見える化し、ユーザーの満足度維持と業務サービスの安定提供の両立を支援するアプリケーション性能管理ソフトウェア。エンドユーザーレスポンス、ウェブアプリケーションのオンライントランザクション、業務アプリケーション内の処理性能のボトルネックをそれぞれ可視化するという。CAでは、最新版となるCA APM 9を9月7日に発表したばかりだ。
一方のCAは、富士通の業務プロセス監視および分析ソフトウェア「Interstage Business Process Manager Analytics」を、「CA Business Process Performance Analytics」(CA BPPA)ブランドとして海外でも提供する。
CAは、CA BPPAの業務プロセスの見える化機能により、CAサービスアシュアランス製品のポートフォリオを強化。これにより、ビジネス管理者やアプリケーション管理者は、業務プロセスの見える化やプロアクティブなSLA管理ができるとしている。
さらに、CA APMとCA BPPAを組み合わせることで、ユーザーはさまざまな環境において、業務プロセス、アプリケーショントランザクション、ITインフラレスポンスなどがリアルタイムに分析できるという。
なお、CAではCA APM 9を発表した際に、「6月に発表したNECとの協業によるOEM販売と同様の動きを今後も強化していきたい」(CA Technologies サービス・アシュアランス営業本部 ワイリー・テクノロジー営業部 部長 脇本亜紀氏)とコメントしており、すでに新たなOEM販売パートナーと交渉中であることを明らかにしていた。