インターネットイニシアティブ(IIJ)は9月30日、iPadなどのモバイル端末を企業の業務端末として利用するためのサービスメニューを揃えた「IIJ GIOスマートモバイルソリューション」を11月1日から提供することを発表した。
今回発表されたIIJ GIOスマートモバイルソリューションは(1)アプリケーションゲートウェイソリューション「Mobile Application Gateway」、(2)「モバイルWi-Fiルータ」、(3)スマートフォン&モバイル端末管理サービス「Smart Mobile Manager」――という3つの製品とサービスで構成される。
今回のソリューションはiPadやスマートフォンなど操作性に優れた「モバイル端末を業務の現場で使いたいというニーズに応えた」(IIJマーケティング本部長の松本光吉氏)ものという。同社の企業向けモバイル通信サービス「IIJ モバイル」の運用技術とクラウドサービス「IIJ GIO」の基盤を活用している。IIJでは、今回のソリューション提供にあわせて、アップルと販売代理店契約を結び、企業向けにiPad(Wi-Fiモデル)を販売する。
IIJ GIOスマートモバイルソリューションについて、松本氏は「“使う”“つなぐ”“管理する”の3つに分けられる」と表現。“使う”がMobile Application Gatewayであり、“つなぐ”がモバイルWi-Fiルータ、“管理する”がSmart Mobile Managerになると説明している。
“使う”のMobile Application Gatewayでは、既存のWindowsクライアントPCで利用している業務アプリケーションをそのままiPadなどのモバイル端末で利用するためのゲートウェイ機能をIIJ GIOのサービスとして提供するものだ。IIJの蓑田信一郎氏(マーケティング本部プリンシパル・コンサルタント)はMobile Application Gatewayについて「業務アプリケーションをモバイル端末から透過的に、かつ安全にアクセスする仕組みを提供する」と表現している。
Mobile Application Gatewayは、Citrixのアプリケーション仮想化ソフト「XenApp」とIIJ独自のアクセス認証システム「IDゲートウェイ」を活用する。Windows 2003 R2 SP2/2008 R2の仮想サーバにXenApp環境をプリインストールした状態で提供される。
エンドユーザーは、iPadに「Citrix Receiver」をインストールして、Citrix Receiverから業務アプリケーションを操作することになる。XenAppの画面転送プロトコル「ICA(Independent Computing Architecture)」を利用することで、遅延が大きく、狭帯域な環境でも業務アプリケーションを操作できるとしている。