ネットワンシステムズとEMCジャパンは10月14日、セキュアなファイルサーバ環境構築を目的に秋田県横手市教育委員会が中心となって進める同市内の全33小中学校のIT環境整備において、両社のソリューションが採用されたと発表した。新システムは、今年4月より本格運用を開始し、教育関連データをより効率よく安全に管理すると同時に、運用管理コストの削減を実現したとしている。
新システムは、提案、導入支援、構築支援、保守をネットワンシステムズが担当。同社は、従来、各校ごとに設置され属人的に運用管理されていた複数のファイルサーバを統合するため、データの重要度や利用頻度を可視化するEMCジャパンの「ファイルサーバ・アセスメント・サービス」を採用した。同サービスでの評価をもとに、全校のファイル共有サーバをEMCジャパンの統合ネットワークストレージ「Celerra NS-480」に集約し、透過的なファイル移動とアーカイブを実現するアクティブアーカイブアプライアンス「File Management Appliance」を導入したという。
また、構築にあたっては、ヴイエムウェアのサーバ仮想化ソフトウェア「VMware vSphere」によってブレードサーバ上に仮想環境を構築し、ディレクトリサーバやウイルス対策サーバ、クライアント管理サーバなど計8つのシステムを実装したとしている。
新システムでは、複数のファイルサーバを1台のCelerra NS-480に集約することで、ネットワークを通じて市庁舎のサーバルームで一括管理できるようになった。また、サーバ統合によりデータバックアップの自動化やリモート保守が可能になり、現場の教職員がデータ管理やシステム運用に関する煩雑な業務から解放され、運用管理のコストと手間が大幅に低減されたとしている。
また、今回の取り組みの一環として教職員にはノートPCが配布されたが、USBトークンによる個人認証とパスワードによる二要素認証に加えて、ハードディスクの暗号化を導入し、セキュリティを強化したという。これにより、利用者の利便性を損うことなく紛失や盗難時の情報漏えいに備えることができるとしている。