--今回のイベントでインメモリを利用した分析アプライアンス「HANA」(High-Performance Analytic Appliance)を披露した。BusinessObjectsはHANAにどのように関わったのか?
それはSAPがBusinessObjects買収を発表した時にさかのぼります。発表後、最初に始めたことはSAPの「Business Intelligence Accelarator」(BIA)に、BusinessObjectsが当時開発していた技術(現「Explorer」)をアタッチする実験です。なぜなら、膨大な量のデータをリアルタイムで探索(Explorer)つまり調査できると、エクスペリエンスが変わると思ったからです。そして取引完了時には、社内でこの2つを統合した技術を披露することができました。

つまり、BusinessObjectsがSAPに加わった最初の日からユーザーエクスペリエンスの改善、クエリ高速化のためのインメモリ活用を模索してきたといえます。(BusinessObjectsの新機能である)多次元的なセマンティックレイヤもその一環といえます。情報とデータを探索するという概念でSAPとBusinessObjectsの取り組みは一致しており、両チームは密に作業を進めてきました。BIAはその後、「SAP NetWeaver Business Warehouse Accelerator」に、そしてHANAへと発展していったのです。インメモリ技術は、分析、アプリケーション、アルゴリズムなどのプラットフォームになったといえるでしょう。
--HANAは分析の高速化に取り組むものですが、その他にどのような可能性があるのですか?
インメモリやそれ以外の方法でクエリを加速できます。たとえばTREXの計算エンジンを使って、複雑なイベント処理を行うことができます。インラインでの意思決定、データのストリーム、さらには予測分析を拡大させることもできます。サンプルのサイズが大きく、豊富になっており、トレンド化、リグレッション、インライン意思決定などが可能になると考えています。我々は現在、これらの可能性を探っています。