米証券取引委員会が富士通のXBRLソフトウェア「Interstage XWand」を採用した。富士通が10月25日に発表した。
富士通のInterstage XWandの採用は、企業が財務情報を作成、流通、利用するために標準化された言語“XBRL”に対応したソフトウェアを導入することで、企業の情報開示の適時性と利便性の向上を図ることを目的にしているという。これらのデータ形式による財務情報の開示により、紙ベースのデータやテキストデータと比べて、投資家をはじめとする市場参加者が容易にデータの計算や抽出、分析を実行することが可能になるとしている。
米証券取引委員会では、Interstage XWandの導入により、財務情報の内容を検証するルールを定義し、さまざまな形式のデータを結合しながら、財務情報の検証を自動的に実行することが可能になる。また、包括的なXBRL対応とプロセス自動化機能を組み合わせることで、財務情報の検証や報告、分析までの自動化を可能にするとしている。
富士通は、日本でのXBRL普及促進を図る「XBRLコンソーシアム」や国際標準化組織「XBRL International」の活動に初期から参画するなど、XBRLの最新仕様に早くから対応してきたという。富士通によれば、2003年に提供を開始したInterstage XWandシリーズは、これまで世界27カ国の公的機関や企業で採用されている。また、今年4月には新製品「Interstage XWand V11」を発表、世界中のユーザーの要望に対応する新機能も盛り込んだ。今回、米証券取引委員会には、データ処理、管理、分析といったプロセスを自動化するためのビジネスプロセス管理の機能もあわせて提供しているという。
米証券取引委員会は、米公開企業の財務情報や開示書類の審査を担っており、投資家保護や公平かつ効率的な市場取引を維持する目的で、財務情報の流通や再利用するための標準言語であるXBRLやXMLを採用している。また、公開企業の財務情報や投資会社のリスクリターン情報の概要をXBRL形式で提出することを段階的に義務化することを決定しており、2009年には具体的な導入スケジュールを発表していた。