米CA Technologies(CA)が、仮想化および自動化技術の製品体系を整備し、強化しようとしている。クラウドコンピューティング構築には必須といえるこれらの領域に重点を置くことにより、どのような理想像を描いているのか。同社の仮想化&自動化カスタマーソリューション事業部ストラテジー担当バイスプレジデントであるStephen Elliot氏に、その戦略を聞いた。
--仮想化、自動化技術を重点化することの意義とは何か。
仮想化と自動化の技術は成長の柱として極めて重要であるため、CAは多大な投資をしている。特に今後、日本市場で注力していきたい。この分野の業務を遂行するため、個別部隊としてビジネスユニットを設けている。当社の大きな目標は、ここでのリーダーとしての地位を確立することだ。
仮想化および自動化の技術については、顧客からも支援を求める問い合わせが多い。物理環境から仮想環境への移行や、クラウドへの進行に特に期待がかけられている。これらの切実な声に対し、我々はどのような支援ができるのか考えなければならない。
まず、一口に仮想化、クラウドといっても、単に技術的な側面だけでなく、顧客が目的を達成できなくてはならない。CAは、この2つの技術により、大きな成果を収めたいと考えている。市場シェアの向上とともに、これらの分野で売上高拡大を目指しており、双方の実現を成長戦略と位置づけている。
--製品戦略として重要なのは、どのようなことか。
鍵となるのは、顧客の抱える課題の解決だ。当社では、仮想化環境下での管理におけるひとつの解答として、「CA Virtual Suite」という製品群を用意している。ここには、独自技術とともに、合併や買収により得た新たな技術要素も盛り込んでいる。「CA Virtual Assurance」は、イベントやパフォーマンスを監視し、顧客の仮想環境下で典型的な課題を解決する。また、コンフィギュレーション管理ソリューションの「Virtual Configuration」も用意しており、幅広い課題への対処策を備えている。
当社が新しい重要な製品を投入する際に指針として重視しているのは、製品自体の性能や機能などの差別化もさることながら、異機種混在の環境に十分適応でき、多様なハイパーバイザに対応することだ。さらに、製品群の幅を広くすることも重視している。CAの技術は、パフォーマンスからコンフィグレーション、セキュリティ、ストレージに至るまで管理が可能であり、守備範囲は多岐に渡っている。これも大きな特徴だといえる。また、仮想化だけでなく、物理的なソリューションも含め、統合化を図ることができるのも強みだ。
--CAの自動化技術の大きな特徴は何か。
仮想化技術の一環として、我々はインフラ管理の技術も手掛けているわけだが、仮想化と良い組み合わせになるのが自動化製品だ。顧客は、仮想化によりいかにして業務プロセスの自動化ができるかという点をかなり重視している。これらの製品群はそれを可能にする。コストを抑えながら、仮想化への流れを加速させることができる。
CAは、仮想化環境、物理環境の両方をサポートできる自動化製品をもっている。たとえば、米Cisco Systemsの「Cisco UCS(Unified Computing System)」を使用している顧客は、「CA Automation Suite」で構成、ディスク、プロビジョニングなどの管理が可能だ。ITILを導入している多くのユーザーのため、プロセスの変更や構成管理も支援できる。ITIL V2からITIL V3へと円滑に移行できる技術もある。CAの自動化技術には、セルフサービスのインターフェースが組み込まれている。サーバが物理的であれ仮想的であれ、アプリケーションやさまざまなリソースを自動的にプロビジョニングできる。