凸版印刷は、160社を超える凸版印刷グループがクラウド環境でITシステムを共有する「グループ・シェアード・サービス」を構築している。9月よりシステム構築を初めており、2011年4月までに、IBMのサーバおよびストレージ製品を活用してインフラを仮想化統合するという。日本IBMが11月17日に発表した。
凸版印刷では、2005年からグループの基幹業務プロセスを共通化する取り組みである「BIT21(Business Innovation for Toppan Vision21)」を進めている。プロセスの共通化が完了したため、今回、グループの基幹業務を統合し、シェアードサービスとして展開することを目的としてクラウド環境の構築を開始したという。基幹業務の基盤をグループ全体で共有することで、標準化された業務によるグループ全体での事業の推進や、進捗および損益管理のさらなる可視化を図り、グループ経営を強化するとしている。
グループ・シェアード・サービス実現の第1ステップとして、グループ各社で分散保有しているサーバとストレージを仮想化技術で統合する。
サーバについては、データベースを中心としたUnixサーバ25台とオフコン4台の計29台を汎用プロセッサ「POWER7」搭載の「IBM Power 770」2台に統合し、Unixとオフコンの両環境を稼働させるという。これにより、運用コストを約35%削減できるだけでなく、資源を柔軟に配分できるようになるため、業務の繁忙期に対する対応や新規業務の追加が容易になるとしている。
ストレージは、異機種混合のストレージ環境を一元管理するストレージ仮想化製品「IBM System Storage SANボリューム・コントローラー」を活用して統合する。これにより、データ格納領域を単一イメージとして把握でき、運用の効率化やストレージ使用率の向上が期待できるとしている。
凸版印刷では、今後、約300台のサーバを「IBM Power 770」とx86ブレードサーバを活用して統合し、サーバ台数を半減させる計画という。