ドリーム・アーツ、およびITホールディングスグループのTISは12月7日、ダイキン工業(ダイキン)化学事業部が「新情報共有基盤」として、ドリーム・アーツの製品群と、TISが提供するクラウドサービス「TIS Enterprise Ondemand Service」を導入したことを発表した。
導入されたのは、ドリーム・アーツの企業情報ポータル型グループウェア「INSUITE Enterprise(インスイート)」、アプリケーション開発基盤「ひびきSm@rtDB」および営業支援ツール「ひびきSALES」(ひびき)の3製品。新システムは、TIS Enterprise Ondemand Serviceをシステムインフラとして利用し、9月1日より運用を開始している。
ダイキンの化学事業部では、これまでLotus Notes上に構築したデータベースおよび週次の営業報告によって、営業現場での顧客の課題や要望、サンプル品評価の状況、競合傾向などの情報を集約、分析し、新製品や新用途開発の企画に反映させてきた。しかし、昨今のビジネス環境の変化などから、ユーザーの検討範囲が広がり、意思決定の迅速化が求められるなかで、システムの見直しを検討することになったという。
ダイキンは、ユーザーの生の声(案件情報)をいち早く事業部全体に流通させ、多岐に渡る同社の製品、提案の中からユーザーのニーズに応じてすばやく検索できるしくみが不可欠であると考え、その実現のために、インスイートとひびきを選択したという。インフラとしては、エンタープライズでの利用を前提としたセキュアなPaaS、IaaSであるという点から、TIS Enterprise Ondemand Serviceの採用を決めたとする。
今回構築された新情報共有基盤では、営業が収集したユーザーの現場での情報が、ひびきのレポート機能でリアルタイムに事業部全体に共有される。このレポートが、上司からの指示、研究部門からのアドバイスのベースとして提供されるなど、今後、組織を越えた営業活動の起点になるという。
また、ひびきに案件情報を蓄積することで、同情報を顧客、用途、製品、競合状況などの切り口でまとめ、グラフ化して共有できる。ひびきの柔軟なビュー設定、検索機能によって、マネージャー、企画部門、経営層などが、それぞれの観点から現状分析を行えるとしている。また、インスイートのポータル機能との連携により、最新の案件情報を迅速に共有できるようになったという。
さらに、インフラとしてTIS Enterprise Ondemand Serviceを採用することで、システム部門は、これまで必要だったシステムインフラ部分の運用、メンテナンスの負荷が軽減されている。新たなシステム開発などのより創造的な分野へリソースを集中させるとともに、システムの利用状況にあわせて、柔軟にシステムリソースの追加、削除が行えるなど、システム運用に関連するコストの最適化も同時に実現したという。