ネットワンシステムズは、カブドットコム証券が2010年12月に提供を開始した、超高速次世代型トレーディングサービス「kabuステーション」用のデータセンターネットワークを構築したと発表した。
カブドットコム証券は、フロントシステムから勘定系システムまで、自社で構築・運用している。kabuステーションは、個人投資家にとって武器となる、株取引注文の成立速度の向上に対するニーズに応えることを目的としているという。そのため、同サービス用のネットワーク基盤の設計にあたっては、「金融サービスに求められる厳しい信頼性と、低遅延かつ高速化の実現」と「運用の効率化」の2つが課題だったという。
カブドットコム証券は、同サービスのネットワーク基盤の構築に際し、運用を考慮した設計だけでなく、業務レベル、プログラムレベル、OSレベルまで踏まえたネットワークの提案、従来から同社のネットワーク環境を手がけてきた品質と安定性、それぞれの実績を高く評価し、ネットワンシステムズの提案を採用したとしている。
今回、構築したデータセンターネットワークは、シスコシステムズ製データセンタースイッチ「Cisco Nexus 7010」および「Cisco Nexus 5010」によって構成している。これにより、インターネットから、注文の取次処理を行うサーバまでのデータ伝送速度をすべて10ギガビット/秒とすることで、低遅延かつマイクロ秒単位まで超高速化した注文処理のサービスが提供可能だという。
加えて、Cisco Nexus 7010に搭載されているVDC(Virtual Device Context)機能を利用することで、社内サーバ接続用のネットワークも統合し、機器の集約による信頼性と運用効率の向上も実現したとしている。Nexusファミリはこれ以外にも、STP(Spanning Tree Protocol)を使用することなくループ構成を回避できるvPC(Virtual PortChannel)機能を持ち、これらの機能によって、帯域の効率的な利用と障害時の回復速度の向上を実現するという。
ネットワンシステムズでは、今回導入したCisco Nexusファミリに対し、ネットワングループの遠隔運用管理施設「エキスパートオペレーションセンター(XOC)」から、障害を未然に防ぐための性能監視サービス、障害時に迅速に対応するための死活監視サービスを提供している。