日新製鋼は、同社のサーバ統合共通基盤として、日本IBMのクラウドサービスである「IBMマネージド・クラウド・コンピューティング・サービス(IBM MCCS)」を採用した。
IBM MCCSは、日本IBMのデータセンターにおいてCPUやメモリなどのIT資源を仮想化し、ネットワークを経由した従量課金制で提供するクラウドサービス。業務量の増加に応じて、設定した基本使用量の最大4倍まで自動的にIT資源を増加することができるという。
日新製鋼では、情報システムが企業の重要な経営基盤であり、市場や経営環境の変化に柔軟かつ迅速に対応することを課題としていた。具体的には、「必要な資源のみを利用することで、サーバ運用費用を固定費から生産変動などに応じて変動可能とすること」「セキュリティや災害対応の強化による事業継続性の向上」「サーバ運用や定期的な更新に掛かる費用の削減」等の実現を目指していたという。その上で今回、約250台のサーバを対象とした統合共通基盤に関して検討した結果、IBM MCCSの採用を決定したとしている。
同サービスへの移行は、1月より準備および作業を開始しており、3月から6月にかけて順次、クラウドコンピューティング環境において業務を稼働する予定だという。第1弾として4システム向けの十数台のサーバをIBM MCCS環境に移行する。
日新製鋼では、同サービスへの移行による効果として、設備投資関連費用やソフトウェアライセンス費用などを含め、今後5年間で約50%のITコスト削減を見込んでいる。また、日新製鋼では今後、グループ会社も含めたサーバ群に対し仮想化による統合を推進していく予定で、対象となる各システムの特性に合わせてIBM MCCSやプライベートクラウドを活用したシステム最適化を実施するという。