NECは3月10日、山梨県下の10市町村(南アルプス市、甲斐市、笛吹市、上野原市、道志村、西桂町、忍野村、山中湖村、小菅村、丹波山村)に対し、基幹業務である財務会計のシステムを共同で利用する環境を提供すると発表した。第1弾として、忍野村と丹波山村で4月から利用が開始され、他市町村においても現行システムの切り替え時期に合わせて順次利用が開始される。
10市町村では、NECが2010年1月から提供している地方公共団体向けクラウドサービス「GPRIME for SaaS」を活用。同システムの機能のうち、予算編成、歳入/歳出、出納、決算などの管理を行う財務会計システムを利用する。GPRIME for SaaSの導入事例としては、既に山形県置賜地域の7市町、奈良県下7市町などがあるという。
10市町村はこれまで、それぞれ独自に基幹システムを構築、運用しており、システムにかかるトータルコストの削減、職員負担の軽減、環境変化への迅速な対応などが課題となっていたという。このような中、財務会計の領域では、決算統計の県への報告資料、議会説明資料、監査資料など業務運用上共通化できる部分が多く、参加団体のシステムを統一することで効率化の促進とコスト抑制の実現につなげられるとしている。
10市町村は、財務会計システムを共同で利用することにより、コスト削減を実現するとともに、確保した職員リソースを住民サービスの強化に活用することで、今後のさらなる住民満足度向上を目指すという。