2010年中堅中小IT支出:関東、近畿などでプラス成長

田中好伸 (編集部)

2011-04-26 20:48

 IDC Japanは4月25日、従業員999人以下の中堅中小企業IT市場の地域別動向を発表した。2010年に関東や近畿、九州・沖縄の中堅中小のIT支出がプラス成長に回復したことが明らかになっているという。

 2010年の地域別の投資規模は、関東が1兆4358億円と最も大きく、中堅中小企業IT市場全体の39.5%という。次いで近畿が6022億円で16.6%、東海が4135億円で11.4%となっている。関東や近畿、九州・沖縄は2010年にプラス成長に回復している。そのほかの地域はマイナス成長にとどまっているが、2009年と比較してマイナス幅は小さくなっているとしている。

 中堅中小のユーザー企業が抱える経営課題として、各地域で売上拡大に関連する項目の優先度は、これまで同様に高くなっているという。今回の調査では、従業員育成といった人材に関連する項目の優先度が、特に東海や近畿、九州・沖縄でさらに高くなっていると分析。その一方で、これらの経営課題に対するIT活用による効果の期待度は各地域で依然として低いままとなっているため、ユーザー企業に対しては、具体的な業務改善を含めた解決策の提案が重要と、IDC Japanは結論付けている。

 2010年は多くの地域でIT支出が改善しているが、既存ベンダーに加えて、さまざまな業態の企業や団体がITシステムの積極的な提供を開始しているという。特に地方銀行などの金融機関では、顧客企業への経営支援の一環としてITシステムの検討を開始していると説明している。IDC Japanの市村仁氏(ITスペンディングマーケットアナリスト)は「ITベンダーは、金融機関などの他業態と連携して、ユーザー企業に対して、ITソリューションを含めた経営支援を行うことが有効である」と分析している。

図 2010年の国内中堅中小企業IT市場の地域別支出額と前年比成長率(出典:IDC Japan)

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