--Business ByDesignのプラットフォーム戦略について教えてください。
プラットフォームは非常に重要な戦略となります。その上にソリューションを構築でき、パートナー企業はSDKを利用してBusiness ByDesignの上に拡張機能を加えることができます。SDKは現在パブリックベータで、一部のパートナーは、すでに拡張ソリューションを開発しています。例えば、AccentureはSDKを利用して包括的な化学業界向けソリューションを構築しています。
プラットフォーム分野では、SAPが35年以上かけて培った業界ナレッジやプロセスを含んでいるため差別化できると考えています。SFAと財務を連携させたい場合、必要な機能は全て揃っており、他にパートナーを探す必要はありません。基本機能ではなく、差別化できる機能の開発にフォーカスできます。
“補助”ではないエンタープライズモバイル
--モバイルは自然災害対策として有用です。しかし、ビジネスの補助ではなく、いつも通り仕事を進めるためのエンタープライズモビリティが求められています。この領域でのSAPの取り組みを教えてください
ユーザーインターフェース、スピード、統合などの要素を持つユーザーエクスペリエンス(UX)が重要になります。
SAPは間もなく、出張費計算ツールを提供します。これを利用すれば、携帯電話のカメラでレシートを撮影し、何の経費なのかを音声で録音、上司に報告して承認を得ると銀行口座に振り込まれる——ここまでをエンドツーエンドで提供します。これは顧客と共同開発したソリューションで、カレンダー、クレジットカード会社との統合、バックエンドとの統合など、さまざまなパーツがあって可能なソリューションです。
また、SAPPHIRE Nowの会期中、Business ByDesignをベースとした初の業務アプリケーションとなる「Sales OnDemand」を発表しました。
我々は、実際の営業マンがどのように仕事を進めているのか、時間をかけて調べました。営業マンはモバイルを利用して複数の作業を同時に実行するマルチタスキングで仕事をしています。Sales OnDemandはモビリティを最初から念頭において設計しています。
これは大きなパラダイムシフトです。というのも、モビリティを導入し、ソリューションをデザインすると、基本機能に忠実になります。単に画面がPCからスマートフォンに変わるのとは違うのです。これは大きな意味を持ちます。
SAPのパートナーには、Business Suiteをそのままクラウドで提供しているところがあります。どこからでもアクセスできるというアクセス性はありますが(それでは不十分で)、エンタープライズモビリティを実現するにはビジネスプロセス設計から変わる必要があるかもしれません。
SAPは、Sybaseの技術や知識といった資産を最大限に活用してソリューションを提供していきます。
ZDNet Japan 事業継続フォーラムのご案内
朝日インタラクティブは6月22日、都内で「ZDNet Japan 事業継続フォーラム」を開催します。ヤマト運輸 情報システム部長による基調講演「ヤマトグループが取り組んだ広域災害対策の歴史」、仙台のIT企業 トライポッドワークスによる特別講演「大震災で通信と物流がストップ--仙台のIT企業はいかにして事業を継続したのか」などを予定しています。皆さまのご参加をお待ちしております。
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