SAPがSybaseの買収を完了して10カ月足らず。SAPが5月に米オーランドで開催した「SAPPHIRE Now 2011」で、Sybaseは初めてSAPカンパニーとして参加した。
SybaseでCEOを務めるJohn Chen氏らは、報道関係者向けに合併後の経過について報告し、モバイル分野の製品戦略について語った。
合併の狙いは「エンタープライズのモバイル化」
SAPがSybase買収を発表して業界を驚かせたのは、2010年5月のことだ。買収金額は58億ドル。SAPにとっては、2008年に買収したBIベンダーの仏Business Objects(約68億ドル)に次ぐ規模となった。買収完了後、Sybaseは独立した企業として運営を続けている。
Chen氏は、SAPがSybaseを買収した狙いを「補完的」「モバイル」という点で強調した。
「共通のビジョンがあり、製品の重複が少ない。SAPは業務アプリケーション企業だが、Sybaseにはアプリケーションが少ない」
「SAPはデータ分野に参入を図っているが、Sybaseはここを持っている。SybaseはBIやレポーティングを持っていないが、SAPにはBusiness Objectsがある」
その上で、最大の狙いはモバイルだと強調する。
「顧客がモバイル化を求めているのだ。合併の最大の狙いは、エンタープライズのモバイル化だ」
2社は以前からモバイル分野で提携関係にあり、合併作業もスムーズに進んでいるという。
サイベースのモバイル戦略
Sybaseのモバイル戦略は、次の3層へのアプローチだ。
- 土台となる「Sybase Unwired Platform」(SUP)
- モバイルアプリケーション
- モバイルサービス「Sybase 365」